1996 Fiscal Year Annual Research Report
形状可変型密閉容器による熱損失と有害排気成分の制御
Project/Area Number |
07651119
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
和田 佳之 東京大学, 工学系研究科, 助手 (20011158)
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Keywords | 内燃機関 / 燃焼 / 窒素酸化物 |
Research Abstract |
本研究では,密閉容器内の火炎伝播過程において容器形状を変化させることにより,様々な熱発生率パターンを得ることを通して,熱効率の向上および有害排気ガスの低減の可能性を調べるための基礎データの取得を行うことを目的とした.その第一段階として,火炎伝播過程の一定の段階に冷却素子による熱損失を負荷したときの燃焼特性および有害排気ガス排出特性を調べた.その結果,火炎伝播過程の初期段階に熱損失を与えると,燃焼特性にほとんど変化はないものの,窒素酸化物排出濃度が大きく低下することを明らかにした.一方,火炎伝播末期に熱損失を与えると,燃焼期間がやや短縮し,窒素酸化物濃度も若干低下することがわかった.また,燃焼室形状が火炎伝播過程に及ぼす影響を基礎的に明らかにするため,様々な形状の燃焼室における火炎伝播過程の観察を行い、燃焼時間が燃焼室形状により大きく変化する傾向を示すことが認められた.さらに,密閉容器中に燃料を噴射させ,噴射形態が燃焼特性および窒素酸化物排出特性に及ぼす影響を調べた.その結果,燃料を対向して噴射させ,燃焼室中央部で燃料噴流を衝突させると,燃焼期間が短縮し,窒素酸化物濃度が低減することがわかった.また,燃焼室形状,噴射条件および噴射間距離が燃焼特性に及ぼす影響を調べた.これらの実験結果から,燃焼室形状が燃焼特性および排気特性に及ぼす影響に関する様々な知見が得られ,これらは燃焼室形状をいかなる時間にいかに変形させるか等の考察を行う上で有用な基礎的データとなるものと思われる.
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