1996 Fiscal Year Annual Research Report
多成分気体中の微粒子の泳動現象に関する気体論的研究
Project/Area Number |
07651122
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
青木 一生 京都大学, 工学研究科, 教授 (10115777)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 俊行 産業技術短期大学, 助手 (00227688)
杉元 宏 京都大学, 工学研究科, 講師 (50222055)
高田 滋 京都大学, 工学研究科, 講師 (60271011)
|
Keywords | 熱泳動 / 拡散-泳動 / 分子気体力学 / ボルツマン方程式 / 気体分子運動論 / 希薄気体力学 |
Research Abstract |
1.2成分混合気体に対する流体力学方程式とその境界条件の導出 前年度において,2成分混合気体Boltzmann方程式の衝突積分項を解析的に調べ,衝突項が積分核を用いて表現でき,しかも数値的に構築可能なレベルにまで厳密に簡単化できることをみた.本年度はこの成果をもとに,希薄度が小さい場合の混合気体の挙動を記述する流体力学的方程式とその境界条件を構築した. 2.温度場による流れII-先端効果とそれを扱う差分解析法の開発およびその応用 気体中の加熱(または冷却)物体が先端をもつ場合に,その効果によって先端付近にかなり強い流れが誘起されることを直接シミュレーションモンテカルロ法(DSMC法)によって明らかにした.これは前年度に発見したものとは別のメカニズムによる,新しい型の温度に起因する流れである.ただし,先端付近では気体分子の速度分布関数は不連続になっているため,DSMC法によってその付近の流れを精密に調べることは困難であった.そこで,これに代わる方法として,不連続に配慮した差分スキームを開発し,さらに詳しく先端をもつ加熱(または冷却)物体まわりの流れの研究を行っている.また,ここで開発した差分スキームを応用して平板をすぎる超音速希薄気流の研究を行い,速度分布関数の不連続が極めて重要になる.板の前縁,後縁付近の気体の振舞いを初めて正しく取り扱うことに成功した. 3.1成分気体中の球状粒子に働く抗力,熱流力の研究 1成分気体中の球に働く抗力および熱流力(熱泳動)については,これまで多くの研究が行われているが,それらを系統的に整理するとともに,我々の研究グループで行ったBoltzmann方程式の精密な解析・数値解析による結果を,広い分野の研究者が利用できるような形にまとめた.
|
-
[Publications] Kazuo Aoki: "A rarefied gas flow induced by a temperature field" Rarefied Gas Dynamics. 35-41 (1995)
-
[Publications] Kazuo Aoki: "Numirical analysis of a supersonic rarefied gas flow past a flat plate" Physics of Fluids. 9・4. 1144-1161 (1997)
-
[Publications] 高田 滋: "微小系の気体力学とそのエアロゾル粒子への応用" エアロゾル研究. 11・4. 295-302 (1996)