1996 Fiscal Year Annual Research Report
微小重力環境を利用したレーザ応用計測による燃料液滴燃焼機構の基礎的解明
Project/Area Number |
07651127
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
津江 光洋 東京大学, 工学系研究科, 助教授 (50227360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 敏一 大阪府立大学, 工学部, 教授 (70034402)
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Keywords | 燃焼 / 液体燃料 / 微小重力 / レーザ計測 |
Research Abstract |
微小重力下における液滴燃焼機構の解明を目的として,各種レーザ計測法を用いて,液滴温度および火炎内すず濃度分布の測定を試みた.液滴温度測定については,レーザ誘起蛍光法の一種であるエキサイプレックス法を用い,燃焼中の液滴温度の時間的変化の測定を行った.燃料に微量の有機物を添加し,それに紫外光を照射すると蛍光を発する.その蛍光スペクトルの温度依存性から,蛍光を発した液体の温度を推定することが可能となることがわかった.さらに,微小重力下において燃焼中の液滴温度測定に同方法を適用するための小型計測装置の開発を行い,それを用いて微小重力実験を行った.なお,光源として窒素レーザを用い,受光系として多チャンネル光検出器(OMA)を使用した.液滴の時間的変化の測定結果から,上記計測法の有用性を確認することができた.火炎内のすす濃度分布計測には,平面レーザ光散乱法を適用した.光源として,小型YAGレーザを用い,レーザ光をレンズによりシート状とし,液滴火炎に照射した.すすからの散乱光は干渉フィルタを経て,CCDカメラで撮影され,録画された.その結果,平面レーザ光散乱法がすす濃度分布測定に有用であることが確認された.また,微小重力実験を行った結果,すす領域は液滴を中心として球状に存在すること,すすの存在領域は時間とともに変化し,すすの挙動は非定常性を示すこと,およびすす存在領域の内縁にすす濃度の最も高い部分が存在することなどの新しい知見が得られた.
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