1996 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマスを利用する重金属濃縮と,その仕組みを応用した新規吸着剤の開発
Project/Area Number |
07651152
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
中島 暉 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (10041857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴田 猛彦 宮崎医科大学, 医学部, 教務職員 (40236956)
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Keywords | ウラン / 重金属 / Bacillus / 樹皮 |
Research Abstract |
昨年度の研究で、わが国及び北米のウラン鉱山周辺の水、土壌から、高性能ウラン濃縮菌数種を分離した。また、これら高性能ウラン濃縮菌が、含ウラン廃水から高率でウランを回収除去できることがわかった。そこで、今年度は、より優れたウラン濃縮菌を得るために、微生物検索の範囲を広げ、オーストラリアのウラン鉱床周辺、及び砂漠地帯、湿地帯などの特殊環境地域の水、土壌から微生物を分離し、ウラン濃縮能を調べた。その結果、高性能ウラン濃縮菌数種を見出した。形態観察、染色性、糖資化性、胞子形成の有無などにより、これらの高性能菌は、Bacillus属の細菌であることがわかった。これらの高性能ウラン濃縮菌は、微生物菌体1g当りに615mgのウランを濃縮することができる、銅、カドミウムなどに比してウランを選択的に濃縮できる などのことがわかった。一方、宮崎県内の金属鉱山周辺の水、土壌について、水銀、鉛、銅、カドミウムなどの重金属濃縮菌の検索を行った。その結果、水銀、鉛などを高濃度に濃縮できる微生物数種を分離した。また、これら重金属濃縮菌による重金属元素選択濃縮能は、菌の種類によって異なることがわかった。また一方、生体物質の一つである樹皮について、重金属吸着能を調べたところ、キタコブシ、シナノキなどの樹皮が高いウラン吸着能を示すことがわかった。これらの成果は、Resource and Environmental Biotechnlogy,Vol.1(1996)pp129-143に発表した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] T.Sakaguchi,A.Nakajima,S.Honma,M.Aoyama,A.Kasai: "Recovery and Removal of Uranium by Hardwood Barks" Resource and Environmental Technology. Vol.1. 129-143 (1996)