1995 Fiscal Year Annual Research Report
RAPD標識を用いたダイズ感光性遺伝子の染色体微細地図の構築
Project/Area Number |
07660001
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
阿部 純 北海道大学, 農学部, 助教授 (00192998)
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Keywords | ダイズ / Glycine max / 感光性 / 日長中立性 / 連鎖分析 / アイソザイム / RAPD / 染色体地図 |
Research Abstract |
ダイズ感光性遺伝子の近傍域の染色体微細地図を構築することを目的として以下の実験を行った。日長を人工的に延長させた長日条件下においても開花の抑制されない日長中立性に関与する遺伝子の分離する2組の交雑から,反復ヘテロ法より育成されたF_5およびF_6家系について,早晩性および標識遺伝子の分離を調査した。その結果,長葉遺伝子(ln)およびEnp(エンドペプチダーゼアイソザイム)遺伝子と日長中立性遺伝子(e4)の間に連鎖が確認された。e4は第4連鎖群上にLn-Enp-e4の順で座乗していた。また,起源の異なる日長中立性系統間の交雑から,e4とは異なる新たな日長中立性遺伝子の分離が認められた。これをe6と仮称した。両交雑について,親系統の間でRAPD標識の多型を調査したところ,約20種類のRAPD標識に多型が見いだされた。現在,これらの標識について,上述の分離集団を用い日長中立性遺伝子との連鎖関係の解析を進めている。また,e4の座乗する第4連鎖群の連鎖地図を拡充するため,これらの遺伝子と他の標識遺伝子との連鎖分析を行った。その結果,Est1(エステラーゼアイソザイム)遺伝子がEst1-Ln-Enpの順で連鎖することが確認された。しかし,以前の研究から,第4連鎖群とe4を介して連鎖することが示唆されていた第2連鎖群の裸遺伝子(P1)については,第4連鎖群の他の標識遺伝子との間に連鎖を示す明確な証拠は得られず,検討の余地が残されている。また,種々の感光性遺伝子の同質遺伝子系統について,同様にRAPD分析を行ったが,現在に至るまで多型は観察されていない。
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