1996 Fiscal Year Annual Research Report
アンチセンス核酸工学によるリンゴ果実の完熟抑制に関する研究
Project/Area Number |
07660003
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
原田 竹雄 弘前大学, 農学部, 助教授 (10228645)
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Keywords | リンゴ / ACC合成酵素遺伝子 / エチレン / 果実貯蔵 / アニチセンス |
Research Abstract |
絵遺伝子工学による過熱防止を施したリンゴの作出を行うための基礎的研究として、リンゴ-1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸合成酵素(ACS;EC4.4.1.14)遺伝子族の構成とその構造について解析を行った。 1.リンゴ栽培品種‘ゴールデンデリシャス'のゲノミックDNAからライブニング特に特異的に発現するACS遺伝子の一部をPCRにより増幅し、これをブローブとした。 2.リンゴ栽培種14品種および野性種1種のゲノミックサザン解析によって、ライブニング型ACS遺伝子のRFLP分析を行ったところ、これらは4つのタイプに分類されることが明らかにされた。 3.複数の制限酵素を用いたサザン解析から、ACS遺伝子は少なくとも4つの遺伝子からなる遺伝子族を構成していた。 4.栽培品種‘ゴールデンデリシャス'のゲノミックDNAライブラリーを作製し、そのスクリーニング実験から、ライプニング型ACS遺伝子の6つのゲノム領域をクローン化することが出来た。 5.ライプニング型ACS遺伝子の塩基配列を決定した結果、3つのエキソンと4つのイントロンからなること、‘ゴールデンデリシャス'にはその対立遺伝子が存在していた。 6.対立遺伝子のブロモーター領域には126bpのトランスボゾン様配列が挿入されており、このことが栽培品種間で観察されたRFLPの原因であることが判明した。
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