1995 Fiscal Year Annual Research Report
Prunus属植物からのトランスポ-ザブルエレメントの単離と果樹育種への利用
Project/Area Number |
07660011
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
植松 千代美 大阪市立大学, 理学部, 助手 (30232789)
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Keywords | Prunus / トランスポゾン / アントシアニン合成系 |
Research Abstract |
本研究はウメと花モモの源平咲き系統から花色発現の変異に関与しているトランスポ-ザブルエレメントを単離し、その構造と転移機構、宿主側遺伝子の発現に対する制御機構を明らかにすることを目的とする。 【今年度の成果】源平咲き系統の花色発現の異なる枝(1.ピンク花のみをつける、2.白地にピンクの斑点の入った白花が中心で一部にピンク花やピンクのセクター花をつける)とウメの白色花系統、ピンク花系統、赤色花系統の葉からの全DNA抽出方法を検討した。Reiter R.S.(1992)のCTAB法(Murray & Thompson 1980の変法)に改変を加え、タンパク質や多糖類の混入の少ないDNAを得た。これらに対しアントシアニン合成系酵素のCHS、DFR、UFGTの遺伝子をプローブとしてFGI法(非RI標識)ならびにRI標識したプローブを用いてサザンハイブリダイゼイションを行った。しかしこれまで良好なシグナルは検出されていない。現在(1)DNAの制限酵素処理の方法の改良と(2)ウメとモモのDNAを鋳型としてPCR法によりアントシアニン合成系遺伝子を増幅してプローブとして利用することを検討中である。DFRとANSについてはPCR産物が得られたが、花色の異なる系統間でサイズの違いは検出されていない。 【今後の計画】1、PCR法で増幅したフラグメントのシークエンスを行い、アントシアニン合成系遺伝子であることを確認した後、プローブとして利用する。この方法で構造遺伝子とその近傍に挿入されているトランスポゾンの検出を試みる。2、トランスポゾンが構造遺伝子のプロモーター領域あるいは制御遺伝子中に挿入されている場合を想定し、花色発現の異なる枝や系統ごとにつぼみの各発育段階におけるアントシアニン合成系遺伝子の発現をmRNAレベルで調査する。また既知の制御遺伝子をプローブとしてサザンハイブリダイゼイションを行う。
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