1995 Fiscal Year Annual Research Report
果肉培養によるリンゴ果肉切断面の着色防止機構の解明と無褐変果実の生産
Project/Area Number |
07660026
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
青葉 幸二 岩手大学, 農学部・農林生産学科, 教授 (40240650)
|
Keywords | リンゴ果肉培養 / リンゴ果肉の褐変防止 |
Research Abstract |
リンゴ果実は障害を受けたり果汁の搾汁時において、果肉または果汁が著しく褐変することが知られている。これを避けるために、酸化防止剤を多量に添加する必要があるが、それでも果汁や果肉の褐変は完全には防止できず著しく褐変して元のリンゴ独特の風味を損なっているのが通常である。そこで栽培期間中にCaまたはNを果面や葉面に生育期間中に樹上散布する栽培管理のみで褐変しにくい果実を生産する可能性があるかどうかを試みたところ、明らかに褐変を抑制できる方法が存在することを見つけることができたが、その褐変機構の解明はまだ不十分である。 果実は年1回しか処理ができないため、果肉由来の培養細胞を自由に実験に供試できるようになると、検討の機会が著しく増大する。そこでまず果肉そのものを長期に培養する事ができるかどうかをの可能性を検討したところ、品種間に程度の差はあるもりりいずれも生育させることが可能であり、生育の早い時期に果実を培養に移したほうが成長量が大きいことが分かった。果肉をカルス化した場合も品種間に差が見られるが、使用した品種の中ではカルスの成長の早さ、量ともに`王林´が最もよかった。このように果肉または果肉由来のカルスはほぼ培養が可能なことが分かったので、次年度はこの材料を使用してCaまたはNよる褐変抑制がこれらの材料においても可能かどうかを検討し、その機構解明に役立てる計画である。
|