1997 Fiscal Year Annual Research Report
シュッコンアスターの草姿制御と育種の方向性に関する研究
Project/Area Number |
07660034
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
林 孝洋 京都大学, 農学研究科, 講師 (40173009)
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Keywords | シュッコンアスター / 行列モデル / モジュール / 品種間差異 / 日長反応性 / 花序 / 一次変換 / 分枝性 |
Research Abstract |
最終年度として,これまでに開発した,花序発達を表す遷移行列モデルの検証を行った.Aster hibrid‘クリスタルブルー',A.cordifolius‘ジョリ-ジャンパー',‘アイデアル',A.novi-belgii‘ブルーガウン',‘ラシー'を供試し,6時間の光中断による長日下で定植から20日間栽培し,その後それぞれ0,10,20,30日目に8時間日長の短日処理を開始した.開花時における各モジュール(主茎の5節とそれに付属する葉および側枝)の乾物重を基部からの節位に対して片対数でプロットすると,長日期間が長くなるにつれ,節位に対するモジュール重が大きくなった.グラフの傾きはいずれもほぼ一定となり,シュッコンアスターの花序は,相似形のモジュールが上に次々と積み重なった形となっていることが示された。このことから,花序Iは長日下での一定の変換Kの繰り返しの後,短日処理によって変換Kfを受けて開花に至ったとみなせることが示された.また,グラフの傾きには品種間差異が認められ,変換Kは品種に固有であることが明らかになった.さらに,モジュールの全体重から着花重を引いた茎葉重を節位に対してプロットすると,同一品種では生育時期にかかわらず,グラフの傾きがほぼ等しくなったことから,栄養生長期間の変換Kにおける2つのパラメータkaとkは品種特性を表す有用な指標になると考えられた.また,遷移行列モデルを用いて,開花時の花序の構成からKを求めることで,分枝性,着花パターン,日長反応性などの品種特性が逆解析できることが示唆された.
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Research Products
(1 results)