1995 Fiscal Year Annual Research Report
ブドウ果実のアントシアニン生成における波長域別の光条件
Project/Area Number |
07660039
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
片岡 郁雄 香川大学, 農学部, 助教授 (60135548)
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Keywords | ブドウ / 果実 / 着色 / アントシアニン / 光 / 紫外線 |
Research Abstract |
1.種々の光照射条件下におけるアントシアニン生成 (1)成熟開始期(ベレゾーン期)にあるブドウ果実を用いて、果皮組織ディスクを調製し、各種波長域の光照射条件下において無菌培養を行い、光感受性を調査したところ、光成分の内、とくに紫外域の光線が果実のアントシアニン生成の制御に深く関わっていることが明らかとなった。 (2)HPLC分析により、果皮中に含まれるアントシアニン色素の成分について分析を行ったところ、色素の組成は品種間で大きく異なり、光照射条件は個々色素成分に影響を及ぼし、赤色系品種では非アシル化アントシアニンが、紫および黒色系品種ではアシル化アントシアニンの含量が大きく変化することが示された。 2.光感受性における品種分類 紫外線の照射によるアントシアニンの蓄積促進効果は、供試したいずれの品種においても認められたが、その程度は品種間で大きな差異があり、グローコールマンのように紫外光の照射に対する反応性が極めて大きい品種とマスカットベ-リ-Aのように反応性の低いものに分類されることが明らかとなり、紫外線感応性によりブドウ品種の分類が可能であることが示された。このことについては、さらに供試品種の範囲を拡大して検討を行う予定である。 3.光感受性の機構 光照射は巨峰果実においてフェノール生成経路の律速酵素であるPALの活性に影響を及ぼすことが明らかになった。紫外線の照射の影響および品種間の差異について継続調査を行う予定である。
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