1995 Fiscal Year Annual Research Report
三倍体ブドウを用いた異数体ブドウの作出と胚珠・胚培養法によるその効率化に関する研究
Project/Area Number |
07660041
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
比良松 道一 九州大学, 農学部, 助手 (30264104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若菜 章 九州大学, 農学部, 助教授 (10158579)
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Keywords | ブドウ / 異数体 / 種なし(無核) / 胚珠・胚培養 / 三倍体 |
Research Abstract |
1. 5月中旬から6月上旬にかけて三倍体を種子親とし、二倍体および四倍体との間で7組み合わせの交配を行ったところ、種子獲得率が種子親の三倍体雑種によって異なることが明らかになった。また、三倍体を花粉親として、二倍体および四倍体との間で13組み合わせの交配を行ったところ、種子獲得率が花粉親の三倍体雑種によって異なり、人工培地上での三倍体雑種の花粉の発芽能力の差異と一致することも明らかとなった。 2. 雑種未熟胚の発育を促進する目的で、二倍体の‘マスカットベリ-A'を種子親に、四倍体の‘レッドパール'を花粉親に用いた交配において、交配後6〜7週間目に交配果房にトマトトーン(オーキシン)、ビ-ナイン、スミセブン、サイコセル(以上ジベレリン阻害剤)を各々2水準の濃度で2果房ずつ処理した。その後、果実の着色期直前に交雑胚珠を摘出し、ショ糖2%を含むNitschの寒天倍地で培養したところ、人為的に胚を摘出せずとも倍地上で自然に発芽する種子が認められ、トマトトーンを処理した区でその頻度が最も高かった。また、三倍体を用いた交配では、成長調節物質を処理せずに胚珠培養を行い、その後、培養した胚珠から胚を摘出して胚培養を行った。これまでのところ、全部で10個体の幼植物が得られており、現在、染色体数の確認とアイソザイム分析を行っている。また、三倍体を種子親とした交配において、四倍体を花粉親とした方が二倍体を花粉親とした場合よりも獲得した幼植物体数が多かった。 3. 三倍体雑種の自然交配によって得られた種子数を調査したところ、個体間差が認められ、三倍体雑種の配偶子稔性が一様でないことが明らかとなった。平成7年度に初結果した雑種のうち、かなり多数の種子を含む個体が確認された。この雑種三倍体を平成8年度の交配に用いることにより、今後の異数体雑種獲得の向上が期待される。
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