1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07660047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ishikawa Agricultural College |
Principal Investigator |
加納 恭卓 石川県農業短期大学, 生物生産学科, 教授 (80115823)
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Keywords | 加賀太キュウリ / 苦味 / 全窒素含量 / 硝酸イオン含量 / アミノ酸態窒素 / 栄養生長 / 苦味系統 / 無苦味系統 |
Research Abstract |
加賀太キュウリで、4月頃に強い苦味を有する果実が多発する.窒素肥料を多用すると苦味果が多く発生することから,苦味発現には窒素代謝が関係していると考えられる.苦味果の発生しにくい系統(無苦味系統)と苦味果の発生しやすい系統(苦味系統)の葉における窒素含量の比較,苦味のある葉および果実における窒素含量と苦味の無いものとの比較を行い,苦味が発現する器官における窒素代謝について検討した. 1.無苦味系統と苦味系統の葉における窒素含量の比較 (1)茎長や根重などの栄養成長は,無苦味系統より苦味系統で大きくなった. (2)葉中の全窒素,硝酸イオンおよびアミノ酸態窒素含量は,無苦味系統より苦味系統で高くなった. 2.苦味を有する葉・果実と有しないものとの窒素含量の比較 (1)葉における苦味は,下位葉より上位葉の方が強くなった. (2)全窒素含量およびアミノ酸含量は下位葉より上位葉で,無苦味果より苦味果で高くなった. (3)硝酸イオン含量は,下位葉より上位葉で低く,無苦味果より苦味果で高くなった. 以上より,加賀太キュウリでは,栄養生長の旺盛な苦味系統では無苦味系統に比べ,また苦味が発現する葉および果実では苦味が発現しないものに比べ,窒素代謝,特にアミノ酸の生合成が活発に行われていることが明らかとなった.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 加納恭卓: "'加賀太'キュウリの苦味果発生と植物体の齡および葉中の窒素含量との関係" 園芸学会雑誌. 66・2(印刷中). (1997)
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[Publications] 加納恭卓: "'加賀太'キュウリにおける苦味果の発生と葉中のNO_2含量の関係" 園芸学会雑誌. 65(別冊1). 298-299 (1996)
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[Publications] 加納恭卓: "'加賀太'キュウリにおける苦味果の発生と葉中窒素含量との関連" 園芸学会雑誌. 65(別冊2). 468-469 (1996)
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[Publications] 加納恭卓: "'加賀太'キュウリの果実および葉における苦味発現と硝酸態窒素ならびにアミノ酸含量との関連性" 平成8年度園芸学会北陸支部研究発表・シンポジウム講演要旨. 15-15 (1996)
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[Publications] 加納恭卓: "'加賀太'キュウリの苦味果を発生しなかった株から採種し,栽培した場合の苦味果発生のばらつき" 平成8年度園芸学会北陸支部研究発表・シンポジウム講演要旨. 16-16 (1996)
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[Publications] 加納恭卓: "'加賀太'キュウリの苦味果の発生と葉中の硝酸態窒素およびアミノ酸含量の関係" 平成8年度園芸学会北陸支部研究発表・シンポジウム講演要旨. 17-17 (1996)
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[Publications] 加納恭卓: "新版蔬菜園芸,第9章“直根類の発育"を分担執筆" 文永堂出版, 26