1996 Fiscal Year Annual Research Report
活性酸素を発生させる除草剤による光合成系の損傷と抵抗性機構
Project/Area Number |
07660049
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Research Institution | UNIVERSITY OF TSUKUBA |
Principal Investigator |
松本 宏 筑波大学, 応用生物化学系, 助教授 (10199888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臼井 健二 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (80087585)
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Keywords | 一重項酸素 / 除草剤 / 光合成阻害 / 抗酸化酵素 / 抗酸化物質 |
Research Abstract |
本研究は活性酸素の一種である一重項酸素の発生を通して植物を枯死させると考えられる除草剤を用いて、一重項酸素の生成とそれによる光合成系の損傷、および、抵抗性植物における一重項酸素抵抗性の機構を明らかにしようとするものである。本研究により得られた結果は以下のように要約される。 1.多くの作物および雑草種について、われわれが一重項酸素発生剤であることを明らかにしてきたジフェニルエーテル系の除草剤に対する抵抗性を比較した。その結果、比較的強い抵抗性を示す種がいくつか見い出された。さらに、それらの種について抵抗性機構を検討した結果、イネやダイコンは一重項酸素酸化に対する抗酸化作用が強いことで抵抗性であることを示す結果が得られた。 2.包膜を有する完全葉緑体を単離し、その電子伝達活性に対する上記除草剤の影響を調べることにより、光合成系は損傷を受けることが明らかとなったが、その程度は一重項酸素消去剤の共存下で軽減された。このことから剤の作用への一重項酸素の関与がより明らかとなった。 3.抵抗性の強いイネと弱い植物における抗酸化酸素や物質の検討からは、過酸化の開始反応(引き金)は一重項酸素でも、膜の過酸化反応にはそれから派生する種々の活性酸素種が関わっていることを示唆する結果が得られた。 4.以前に選抜した上記除草剤に対する抵抗性ダイズ細胞は、既知の一重項酸素発生剤には抵抗性を示さなかった。この細胞は除草剤の標的酵素レベルで抵抗性を持っており、酵素が阻害されにくい結果、一重項酸素発生を引き起こす代謝中間体の蓄積が少なくなっていることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)