1995 Fiscal Year Annual Research Report
難純化ウイルスに対する複製型二本鎖RNAからの遺伝子のクローニングと抗血清の作製
Project/Area Number |
07660050
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
夏秋 知英 宇都宮大学, 農学部, 教授 (10134264)
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Keywords | 植物ウイルス / 複製型二本鎖RNA / クローニング / シークエンス / 融合タンパク質 / RT-PCR |
Research Abstract |
本研究では、病原ウイルスの純化が困難なために現在まで抗血清が作製されていない難純化ウイルスを対象として、まずウイルスゲノムに対応した複製型二本鎖RNAをウイルス感染植物から抽出し、これを用いて病原ウイルスの遺伝子に対応したcDNAのクローニングを行うことを第一の目標としている。さらに、ウイルス遺伝子のコードするタンパク質に対応した塩基配列を決定し、大腸菌に融合タンパク質としてウイルスのタンパク質を産生させ、抗血清を作製することを最終目的としている。平成7年度では、果樹ではカンキツトリステザウイルス(CTV)、イチゴではイチゴマイルドイエロ-エッジウイルス(SMYEV)を取り上げて実験を行い、以下のような知見が得られた。 1.CTVでは複製型二本鎖RNAからCTV-RNAのクローニングに成功した。得られたcDNAクローンのひとつは外被タンパク質を産生する能力をもっていた。その塩基配列を決定し、日本産CTVの外被タンパク質遺伝子と米国産のものが比較できた。以上の点から、複製型二本鎖RNAを用いた植物ウイルス遺伝子のクローニングが実用的技法であることが証明された。 2.さらに外被タンパク質遺伝子近傍のCTV-RNAの塩基配列を調べたところ、日本には未発生のbeet yellows closterovirusとCTVが近縁であることが明らかとなった。またCTVの各種系統が感染葉よりRT-PCR法で、CTVが検出でき、その塩基配列から系統を比較することができる。 3.SMYEVは、いまだにウイルス粒子の形態すら未確認であるため、接木試験で発病した多数のイチゴから複製型二本鎖RNAを抽出し、cDNAのクローニングに成功した。このcDNAの塩基配列をもとにしてプライマーを作成しRT-PCR法を行ったところ、2種のウイルス様因子が検出可能となった。
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