1996 Fiscal Year Annual Research Report
シイタケのPseudomonas属菌溶解能に関する遺伝学的検討
Project/Area Number |
07660066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japan Kinoko Research Center Foundation |
Principal Investigator |
村上 重幸 財団法人日本きのこセンター, 菌蕈研究所, 研究員 (00072794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常田 昭彦 財団法人日本きのこセンター, 菌蕈研究所, 研究員 (30142087)
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Keywords | シイタケ / 細菌溶解能 / 系統発生学 / Pseudomonas tolaasii |
Research Abstract |
細菌溶解能に関し、強および弱溶解能を示したシイタケ株からF1一核菌糸体を得、これらの株内・株間交雑により二核菌糸体を調整した。これらの二核菌糸体の寒天培地上での生育テストを行ったところ、弱溶解能を示す菌株の株内交雑二核菌糸体は、強溶解能株のものより生育が劣る傾向が見られた。現在これらの二核菌糸体の細菌溶解能について調査中である。またこれらの鋸屑培養を行っており、得られた子実体の細菌に対する罹病性について調査し、細菌溶解能との関連性について比較検討する予定である。 上記実験と並行して、日本の栽培きのこに生じた病原性細菌と病原性のない細菌の系統発生学的類縁関係を、16SリボゾームDNAの塩基配列およびRFLPの相同性解析により調査した。その結果、病原性を持つ全ての菌株では、RFLPおよび16SrDNAの5′末端の500塩基対の配列において差異が認められず同一種(Pseudomonas tolaasii)と考えられた。一方、これら病原性菌株と、病原性のないP.fluorescensとは、RFLP,16S配列における差異は軽微であったが、REP-PCRでは全く異なるパターンを示した。これらのことからP.tolaasiiとP.fluorescensとは互いにPseudomonas sensu strictoの近縁種であることが示唆された。これらの研究成果を取りまとめてMycoscience37巻で報告した。
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