1995 Fiscal Year Annual Research Report
ダイズ根粒菌超反復配列保有株におけるゲノム再編成と生成要因の解析
Project/Area Number |
07660077
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
南澤 究 茨城大学, 農学部, 助教授 (70167667)
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Keywords | ダイズ / 根粒菌 / 挿入配列 / 反復配列 / DNA再編成 / ヒドロゲナーゼ |
Research Abstract |
ダイズ根粒菌超反復配列保有株は、(1)RSαとRSβのコピー数が通常株よりはるかに多いこと、(2)nif/hupなどの共生遺伝子周辺でハイブリダイゼーションバンドの移動や重複が観察されること、(3)根粒形成・窒素固定・ヒドロゲナーゼ活性などの共生に関わる表現型は変化ないが、培地中での生育は通常株と比較して極めて遅いこと、(4)血清型は、超反復配列保有株・通常株にかかわらず、各圃場に特有のパターンを示すことより、超反復配列保有株は土着の通常株から反復配列(RS)や挿入配列(IS)の介在するDNA再編成によって圃場の閉鎖生態系の中で生じたのではないかと考えられた。そこで、このDNA再編成が起ったか否かの検討を、主に超反復配列保有株のDNA分析によって行った。 超反復配列保有株NK6株のコスミッドライブラリーを作製し、hup,nod,nifの共生領域を調べたところ、(1)hup領域全体の重複が生じていること、(2)一方のヒドロゲナーゼの構造遺伝子hupS,hupLの間の配列CTAGにRSαが転移していること、(3)nod遺伝子のリポキチンオリゴサッカライドシグナルの生産に関与するオペロンの下流が欠損していることなどが明らかとなった。これらの結果は、RSαなどの挿入配列が介在する大規模なDNA再編成が起こったことを強く支持していた。 また、大坪らによって開発された方法により、逆方向反復配列の検出と単離を行ったところ、RSαも含めて6種類以上の挿入配列(IS)様の因子が超反復配列保有株から単離された。これらの挿入配列様の因子はいずれも逆方向状態で存在しており、DNA再編成の結果生じたものと考えられるだけでなく、このような構造そのものが複合トランスポゾンの構造をしているのでさらなるDNA再編成や遺伝子の水平伝達を引き起こす可能性が考えられた。
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