1995 Fiscal Year Annual Research Report
有機塩素化合物分解能を担う新規トランスポソンの同定と利用
Project/Area Number |
07660119
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
川崎 東彦 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (70081578)
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Keywords | ハロ脂肪酸デハロゲナーゼ / トランスポソン / 有機塩素化合物 / 脱ハロゲン酵素 / 環境浄化 / 挿入配列 |
Research Abstract |
微生物による有機塩素化合物の分解について、酵素及び遺伝子の面より研究する過程で、ハロ酢酸を脱ハロゲン化する酵素「ハロ酢酸デハロゲナーゼ」を支配するプラスミドpUO1を見出した。その遺伝子コード領域の部分解析から、デハロゲナーゼ遺伝子は2つの相同配列に挟まれ、トランスポソン様構造をしていることが明らかになった。 本研究ではこの相同配列の全塩基配列を決定し、この構造の全容を明らかにした。 1.ハロ酢酸デハロゲナーゼ遺伝子コード領域2.5kbを挟んで3.2kbの同方向繰り返し配列があった。 2.この3.2kb繰り返し配列はすでにAlcaligenes sp.BR60のクロロ安息香酸分解トランスポソンに見出された挿入配列IS1071と同じものであった。 3.このISの両端には110bpのinverted repeatsがあり、その間にトランスポゼ-スをコードしていると思われる2913bpのオープンリーディングフレーム(ORF)があった。 4.従って、このデハロゲナーゼ遺伝子はクラスIIのISに挟まれたクラスIの複合トランスポソンであることが判明した。 5.トランスポソンの転移についてはまだ認めていない。
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