1995 Fiscal Year Annual Research Report
新規核内レセプターを介する新規脂溶性生理活性物質の検索
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07660121
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
加藤 茂明 東京農業大学, 農学部, 助教授 (60204468)
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Keywords | 核内受容体 / 脂溶性リガンド / 遺伝子発現 / 転写制御 / ビタミンD / ビタミンA / オ-ファン受容体 |
Research Abstract |
ステロイド、甲状腺、ビタミンA,Dなどの脂溶性生理活性物質をリガントとする核内レセプターは、ひとつの遺伝子スーパーファミリーを形成する。核内レセプターはリガンド依存性転写制御因子であることから、リガンドの信号を遺伝子情報に伝達する最も重要な分子である。したがって、新たな核内レセプターの同定や、未知リガンドの同定は、直ちに新しい情報伝達系の発見につながるため、新規核内レセプターやそのリガンドの検索は極めて有意義であると考えられる。 我々は核内レセプタースーパーファミリー内で最も相同性の高い領域をプローブとして新規核内レセプターを種々の臓器由来のcDNAライブラリーを検索し、未だに報告のないタイプのビタミンDレセプターの同定に成功した。特に、ビタミンDレセプターの異なる分子種(VDRアイソフォーム)を同定した。そこで本研究では、VDRアイソフォームのビタミンD情報伝達機構における機能およびそのリガンドの同定に焦点を絞り、研究を進めた。 このVDRアイソフォームは今まで知られていたVDR遺伝子のエキソン8と9の間のイントロンがそのままエキソンとして用いられているものであることを、既にVDRcDNA,VDRゲノム構造の解析から明らかにしている。また、このイントロンの挿入によりVDRアイソフォームタンパクは既知VDRのC末端側が欠落することを明らかにした。さらに、このVDRアイソフォームを動物細胞内発現ベクターに組み込み、既に我々が報告しているようなin vitro解析により、転写促進能を調べたところ、dominant negative typeのアイソフォームであることを明らかにした。また、大腸菌内発現にも組み込み、大量合成を行ない、各種ビタミンD類縁体との結合能を調べている。また、このアイソフォーム特異的なcDNAを用い、Northern blot解析を行ない。このアイソフォームmRNAの発現が数多くのビタミンD標的器官でみられた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] H. Mutoh, et al.: "Tissue-specific response of the human platelet-acting factor receptor gene to retinoic acid and thyroid hormone by alternative promoter usage." Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.(in press).
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[Publications] Y. Arao, et al.: "A synthetic oestrogen antagonist, tamoxifen, inhibits oestrogen-induced transcriptional, but not post-transcriptional, regulation of gene expression." Biochemical J.313. 269-274 (1996)
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[Publications] S. Kato, et al.: "Action of the estrogen receptor throgh phosphorylation by mitogen-activated protein kinase." Science. 270. 1491-1494 (1995)
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[Publications] S. Kato, et al.: "Widely spaced directly repeated PuGGTCA elements act as promiscuous enhancers for different classes of nuclear receptors." Mol. Cell. Biol.15. 5858-5867 (1995)
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[Publications] H. Harada, et al.: "Gene expression of retinoic ancid receptors, retinoid-X receptors, and cellular retinol-binding protein I in bone and its regulation by vitamin A." Endocrinology. 136. 5329-5335 (1995)
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[Publications] H. Sasaki, et al.: "Transcriptional activity of a fluorinated vitamin D analog on VDR-RXR mediated gene expression." Biochemistry. 34. 370-377 (1995)
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[Publications] 加藤茂明(共著): "骨形成と骨吸収及びそれらの調節因子 BONE SCIENCE 2巻" 廣川書店, 273-288 (1995)
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[Publications] 加藤茂明(共著): "分子生物学の展開" 朝倉書店(印刷中),