1995 Fiscal Year Annual Research Report
β-N__--アセチルグルコサミニダーゼ阻害物質に関する研究
Project/Area Number |
07660141
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
首藤 義博 愛媛大学, 農学部, 教授 (30145065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 徹 愛媛大学, 農学部, 助教授 (70036375)
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Keywords | β-N-アセチルグルコサミニダーゼ / 阻害物質 / 酵素阻害 |
Research Abstract |
微生物の生産するβ-N__--アセチルグルコサミニダーゼ阻害物質の単離およびその性質について検討した。酵素反応はpNp-2-acetamide-2-deoxy-β-D-glucopyranosideを基質とし、反応後遊離したp__--nitrophenolを430nmで比色定量することにより行った。培養液の溶媒抽出の結果、n__--ブタノール層と水層に活性が認められたのでそれぞれの成分について精製を行った。ブタノール層の活性成分は、シリカゲルカラムやTLC分取などにより1スポットにまで精製できたが、微量のため構造解析までは至らず、現在再度精製を行っている。水層に含まれる活性成分は、活性炭吸着(メタノール溶出)、陽イオン交換樹脂(アンモニア溶液溶出)によりかなり精製された。しかし、シリカゲルカラムやTLC分取では活性の上昇があまり見られず、また、塩基よりも酸処理により活性低下が著しいことより酸に不安定な構造を含むと考えられた。一方、逆層系カラムクロマトはきわめて有効で、これにより高活性のフラクションがえられたが、まだニンヒドリン陽性物質などの複数の成分が認められることより、活性物質の単離にまではいたっておらずさらに精製を検討している。精製されたフラクションを用いて、放線菌、Jack bean、インゲンマメ、アワビなどのβ-N__-アセチルグルコサミニダーゼに対する阻害活性を検討した。その結果、いずれの酵素に対しても活性が認められたが、特に放線菌由来の酵素に対する阻害活性が強く1.6μg/mlの濃度で50%の阻害がみられた。また、ブタノール層に含まれる活性成分は精製が進むに連れて水に溶けにくくなり、活性測定が困難になることより測定法についても検討が必要だと思われた。
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