1995 Fiscal Year Annual Research Report
殺虫性インドールアルカロイドオカラミン類の生合成に関する研究
Project/Area Number |
07660142
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
林 英雄 大阪府立大学, 農学部, 教授 (30128772)
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Keywords | 殺虫性物質 / オカラミン / Penicillium simplicisimum / インドールアルカロイド |
Research Abstract |
糸状菌Penicillium simplicissimum ATCC 90288株をオカラで培養すると生産される殺虫性インドールアルカロイドオカラミン類はユニークな構造を有している。そこで興味の持たれる生合成経路を解明することを目的として研究を行ない、以下の成果を得た。 1)取り込み実験に有利と考えられる液体培養条件を検討したところ、合成培地であるツアペック培地や半合成培地であるサブロ-培地にオカラのメタノール抽出物を添加すると、ATCC 90288株は良好な生育を示し、オカラミンを生産することが明らかとなった。また、この効果は大豆でも同様に認められ、大豆に何らかの生育促進物質や生合成調節物質が含まれることが示唆された。 2)確立された液体培養条件にて取り込み実験を行なった。すなわち、液体培養系にL-トリプトファン-インドール-d_5を添加し、培養後得られたオカラミンBのMSスペクトルからL-トリプトファン-インドール-d_5由来の重水素標識は2位を除いて全て保持されていることが示唆され、オカラミン類のiンドール部分がトリプトファンに由来することを確認した。 3)オカラミン類の生合成的連関を推定すると生合成中間体の存在が予想される。そこでオカラ培養物より新規オカラミン類縁体を精査し、オカラミンGを単離、構造決定した。オカラミンGの単離によってオカラミン類の生合成経路はイソプレニル化したトリプトファンがジケトピペラジン環を介して縮合した後にアゾシン環を形成することが示唆された。
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