1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07660144
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Research Institution | TEIKYO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
横田 孝雄 帝京大学, 理工学部, 教授 (40011986)
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Keywords | 寄生植物 / 発芽誘導物質 / アカクローバー / ヤセウツボ / アレクトロール / オロバニコール |
Research Abstract |
アカクローバーの分泌するヤセウツボ(Orobanche minor Smith)発芽誘導物質として既知物質のalectrolのほかに新規物質orobancholを単離し、その構造をstrigolの二重結合異性体と推定した。これらアカクローバーのヤセウツボ発芽誘導物質の生産・分泌はリン酸によって著しく抑制されるが,NaNO_3の添加により著しく促進された。(NH_4)_2SO_4には促進作用はなく10mg/Lの添加でも阻害的に働いた。NH_2CONH_2には僅かに促進的であり、阻害作用は認められなかった。また、様々な農作物について、根の分泌する発芽誘導物質を調べた結果、ヤセウツボの宿主として認められているニンジンとアカクローバーは生産能が高かった。一方、宿主ではない以下の作物には生産能の高いものから無生産のものまで様々であった。即ち、トマト、ダイズ、エンドウはニンジンに匹敵する高い生産能を示した。またヒマワリ、キュウリ、タマネギ、バジルには中程度の生産が認められた。なお、アブラナ科のダイコン、クレスおよびイネ科のイネ(コシヒカリ、短銀坊主)とトウモロコシは無生産ないしはきわめて微量の生産しか認められなかった。なおニンジン、トマト、エンドウは未知の発芽誘導物質を生産していることが明らかになった。ニンジン、トマト、エンドウによる発芽誘導物質の生産は培養液の濃度に影響されないが、ダイズの場合は濃度の低下に伴い、著しく減少した。
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