1996 Fiscal Year Annual Research Report
モノクローナル抗体が認識する乳脂肪球膜タンパク質抗原のcDNAクローニング
Project/Area Number |
07660159
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松田 幹 名古屋大学, 農学部, 教授 (20144131)
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Keywords | 乳脂肪球皮膜 / MFGM糖タンパク質 / cDNAクローニング / 乳腺細胞膜糖タンパク質 |
Research Abstract |
乳脂肪球膜(MFGM)は乳汁中の脂肪球を取り囲むタンパク質とリン脂質を主成分とする膜であり、乳脂肪のエマルションとしての安定化、乳汁内在リパーゼによる乳脂肪の分解抑制、リボフラビンの腸管吸収促進、などの機能が報告されている。MFGMタンパク質の大部分が膜タンパク質であることから、分離、精製が難しく、各々の機能に関与する分子種およびその構造は未だほとんど明らかにされていない。これまでに作製した抗MFGM単クローン抗体を特異的プローブとして泌乳期ウシ乳腺cDNAライブラリーからのMFGM糖蛋白質のcDNAを単離を試みた。泌乳期ウシ(ホルスタイン)乳腺組織から調製したpolyA^+RNAを鋳型として逆転写酵素によりcDNAを合成し、λgt11ファージDNAに組み込み、乳腺cDNA発現ライブラリーを作製した。次に、ウシ乳脂肪球皮膜に対して作製したマウス単クローン抗体を用いてイムノスクリーニングを行った。得られたいくつかの陽性クローンについて決定した部分塩基配列に基づいて推定したアミノ酸配列中にウシMFGMタンパク質抗原の一つであるMgp53/57の部分アミノ酸配列を含むクローンが見つかった。ジデオキシ法を用いたDNA増幅装置によるサイクルシーケンス法によってcDNA全塩基配列を決定した。一次構造上の相同性を持つタンパク質および他のタンパク質に存在する部分的共通配列を検索した結果、細胞膜糖脂質ガングリオシドのアセチル化に関与する遺伝子としてラット脳から単離されたcDNAと高い相同性を示した。また、マウス精子膜に存在し、卵受精膜透明帯糖タンパク質と結合能を持つ糖タンパク質のN末端アミノ酸配列との高い類似性が見つかった。
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