1995 Fiscal Year Annual Research Report
血清アルブミン由来ペプチドAlbutensinによる血管、免疫および神経系の制御
Project/Area Number |
07660162
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉川 正明 京都大学, 農学部, 助教授 (50026572)
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Keywords | 血清アルブミン / albutensin / 補体C3a / 補体C5a / 免疫促進 / 腫瘍壊死因子 |
Research Abstract |
1)ウシ血清アルブミンのフラグメントペプチドであるTyr-Leu-Ser-Leu-Ile-Leu-Asn-ArgおよびLeu-Ser-Leu-Ile-Leu-Asn-Argが回腸収縮およびファゴサイトーシス促進活性を有することを見いだした。ブタおよびヒト血清アルブミンの本ペプリドに相当するフラグメントペプチドは同様な活性を示さない。 2)ウシ血清アルブミンからトリプシン消化によって派生する回腸収縮ペプチドalbutensin A (Ala-Phe-Lys-Ala-Trp-Ser-Val-Ala-Arg)は補体C3aレセプターを介して作用することを見い出した。またブタおよびヒトalbutensin A (Ala-Phe-Lys-Ala-Trp-Ser-Leu-Ala-ArgおよびAla-Phe-Lys-Ala-Trp-Ala-Val-Ala-Arg)はC3aレセプター以外にもC5aレセプターに対する結合性を示すことを見いだした。ブタおよびヒトalbu-tensin Aは好中球によるファゴサイトーシスを強く促進したがこれにはC5aレセプターを介していることがわかった。ブタAlbutensin Aは腫瘍壊死因子(TNF)の産生促進作用を示した。 3)ウシ血清アルブミンからトリプシン消化によって派生する回腸収縮ペプチドalbutensin C (Arg-His-Pro-Glu-Tyr-Ala-Val-Ser-Val-Leu-Leu-Arg)も補体C3aレセプターを介して作用し、ヒト好中球によるファゴサイトーシスを促進した。一方、ブタおよびヒト血清アルブミンから派生する本ペプチドに相当するフラグメントペプチドは同様な活性を示さなかった。 以上、ウシalbutensin Aの活性はブタおよびヒトalbutensin Aのそれより小さいウシ血清アルブミンからは他に2種類のファゴサイトーシス促進ペプチドが派生することによってその小さい活性を補っているものと考えられる。 4)ヒトAlbutensin Aはボンベシンレセプターおよびσ-レセプターに対する結合性を示し、またマウスに側脳室内投与した際には鎮静作用を示した。
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