1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07660242
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
菅原 庸 三重大学, 生物資源学部, 教授 (80024826)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 俊夫 三重大学, 生物資源学部, 助手 (50024831)
|
Keywords | 環境修復 / バイオリメディエーション / 微生物機能 / 脱窒 / 内湾 / 微生物開発・利用 |
Research Abstract |
1.固定化脱窒細菌Pseudomonas sp.Sc51株の脱窒活性は30°C付近,pH7〜8付近にて最大であり,50°Cにおいても最大値の60%程度,pH6あるいは9においても最大値の85%程度の活性が認められた。また,固定化Sc51株細胞は20〜30°Cで、pH7でもっとも安定であった。 2.現場底泥に脱窒細菌C8-2株を散布するための現場小型モデル系を設定した。底泥のみの場合とC8-2株付着担体を底泥に添加した場合の脱窒ポテンシャルを比較した結果,C8-2株の添加により脱窒ポテンシャルの増強がみられた。脱窒ポテンシャルはC8-2株10^5cells/mlのレベルの場合,泥コントロールの2倍に,10^7cells/mlのレベルの場合,泥コントロールの約3倍となった。 3.微生物散布による現場環境改善試験の詰果,有傲物分解量は冬季で26.4g/m^2/日,夏季で81.1g/m^2/日となり,底泥表層における脱窒による窒素除去量は冬季で30.7mgN/m^2/日,夏季で59.4mgN/m^2/日となり,微生物による環境改善効果が認められた。 4.脱窒細菌が周辺に生息する生物に及ぼす影響を検討するため,他種細菌・他種プランクトンとの共存条件下における挙動を調べた結果,Bacillus,Alteromonas,Gymnodinium mikimotoi,Skeletonema costatumおよびHeterosigma akashiwoなどは脱窒細菌の共存下ではほとんど影響を受けていないように思われた。また,脱窒細菌の変異原性についてはAmes試験陰性と判定さ 5.微弱光のもとで光合成能を有する微細藻類を酸素生産者として利用した。現場海水・底泥に微細藻類P-1株を添加した系では,藻類による酸素生産が底泥による酸素消費を上回った。現場海底を想定した微弱条件で,分離した微細藻類による酸素条件改善の可能性が示唆された。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 岩田友三・菅原 庸・木村俊夫・佐野元宏・水口忠久・西村昭史 他: "五ヶ所湾におけるGymnodinium mikimoyoiの増殖ポテンシャル" 日本水産学会誌. 63(4). 578-584 (1997)
-
[Publications] 中谷純夫・松岡行利・山川雅弘・柏 雅美・菅原 庸・木村俊夫: "微生物の機能を利用した水質浄化(第2報)-固定化低窒素同化細菌による窒素除去-" 三重県環境科学センター報告. No.18. (1998)
-
[Publications] 菅原 庸: "湖沼の底土における微生物" 日本水産学会誌. 64(2). 307-308 (1998)