1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07660275
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
坂田 泰造 鹿児島大学, 水産学部, 教授 (10041724)
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Keywords | 殺藻細菌 / 殺藻性糸状細菌 / ハイブリダイゼーション / DNA相同性 / GC含量 / サプロスピラ属細菌 |
Research Abstract |
DNA-DNAハイブリダイゼーション法は、異なった細菌株から抽出された菌体DNAの塩基配列間の相同性を比較する上で最も簡便な方法である。本研究では、1990年から1995年にかけて鹿児島湾沿岸海水から分離された殺藻性糸状細菌(主としてSaprospira属細菌)分離菌株間の識別を簡便に行える実験手法として、フォトビオチン標識プローブを用いたDNA-DNAハイブリダイゼーション法(ドットハイブリダイゼーションおよびプレートハイブリダイゼーション)の適用について検討した。 殺藻性糸状細菌の各年度分離菌株間で特に高いDNA相同性(76.2%以上、平均93.4%)を示した。またSS92-11株とSS93-7株から抽出したDNAでは、分離年度が異なるが63%および92.3%と高い相同性が得られた。95年分離菌株のうち、SS95-1株は91年度分離菌株(SS91-14株とSS91-40株)と高い相同性を示したが、SS95-4株については90年-95年分離菌株の中には高い相同性を示す菌株は見られなかった。供試菌株のGC%は、34.6-38.9%の範囲内であり、かなり類似していた。 これらの結果から、珪藻細胞を殺滅する殺藻性糸状細菌株間の識別および同定を行う簡便な方法としてDNAハイブリダイゼーション法が有効であることが分かった。
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