1996 Fiscal Year Annual Research Report
わが国食品製造業の産業組織に関する英仏両国との比較分析
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07660287
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
生源寺 真一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40196580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 義行 成城大学, 経済学部, 助教授 (70162899)
中嶋 康博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50202213)
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Keywords | 産業組織 / アグリビジネス / 食品製造業 / 市場構造 / 日英仏 |
Research Abstract |
日本、イギリス、フランスの3カ国の食品製造業の市場構造について国際比較を行った。共通する産業分類に基づきそれぞれの市場構造、企業数、雇用者数、集中度を経年的に調べている。イギリス、フランスはEU統合に伴い、これまでになく国際競争が激しくなっており、多くの企業が合併、統合の過程に巻き込まれている。企業組織の国際化は海外直接投資を活発にした。ヨーロッパの場合は現地法人を設立するための海外へ向けた海外直接投資だけでなく、国内へ進出してくる海外からの海外直接投資も増えている。欧州と日本の現状を比べた場合に、この海外直接投資の相互性がもっとも大きな差異である。 産業内部の競争構造を精査するには、個々の企業の状況ならびに企業戦略のあり方まで言及する必要がある。そこで3カ国共通に比較分析できる産業として食肉加工業を対象に選択し具体的な分析を行った。食肉加工業についての限られた分析であったが、そこから食品製造業、食品流通業全体に関わる重要なインプリケーションが得られた。それは食品の安全性や品質といった商品の属性が消費者の選択に大きな影響を与え、そのことが最終的に食品製造業の成果と産業構造を定める重要な要因になりつつあるということである。このような安全性・品質・規格を認証するためにこれまでとは異なった組織構造が求められてきている。 大きく分けて次の二つの対処法が観察される。一つは原材料から加工・流通まで統合した企業組織をつくりあげ、認証作業を企業のブランドとして内部化してしまうことである。もう一つは産業としての中立的な認証団体を別途設立し、それぞれの企業が共有できる認証基準をつくることである。どららにしても現在消費者から求められている品質・規格はますます高度化してきており、競争手段の一つに組み込まれつつある。今後の市場構造を予想する場合に最も重視すべき要素であることは間違いない。
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