1995 Fiscal Year Annual Research Report
日本・朝鮮の近世における稲作の展開に関する比較文化史的研究
Project/Area Number |
07660301
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
井上 雅也 日本大学, 農獣医学部, 助教授 (70060093)
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Keywords | 韓国稲作 / 東北アジア稲作 / 近世稲作 / 韓国古農書 / 文化交流 / 比較文化 |
Research Abstract |
先ず研究目的に沿って文献資料の収集を行なった。主なものとしては古文献を解読する時に欠くことのできない「異体字研究資料集成」(杉本つとむ、雄山閣、全20巻)や「韓国民俗体系」(国書刊行会、2〜5巻)がある。その他にも関連する貴重な諸書籍を購入した。また東北・青森地方における稲作文化の遺跡、対馬・壱岐における朝鮮半島との歴史的文化交流の跡を見学し、東北アジアの中での稲作文化という視点をより確かにすることができた。同時に、それらの地方の資料館や博物館をはじめとし,大阪にある国立民族学博物館、名古屋の蓬左文庫等で貴重な資料を手に入れることができた。さらに将来は韓国の農業経済学会会誌への投稿を予定しているので、その時の便宜のために日韓翻訳コンピューターソフトを購入した。 現在までの実績および成果については、現時点で必要と思われる資料はほぼ収集し終えたと考えている。なかでも特筆してよいのは、朝鮮時代初期の重要人物である姜希孟(韓国古農書「衿陽雑録」の著者)に関する極めて貴重な文献「晋州姜氏四先祖実記」を手に入れたことである。これは姜希孟関係の文献解読に大きく役立つものと思われる。また蓬左文庫では「私淑古齊集」(姜希孟の文集)を閲覧・複写し、往時の文化の伝播についての認識を新たにした。 今後は収集した文献の整理・解読とともに、研究目的に沿って分析・考察を行なう。その一部については現在まとめつつあり、日本国際地域開発学会への投稿を準備中である。
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