1995 Fiscal Year Annual Research Report
フィルダム-地山系におけるフィルダム三次元浸透流解析に関する研究
Project/Area Number |
07660308
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
角野 三好 弘前大学, 農学部, 講師 (80003523)
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Keywords | フィルタイプダム / 三次元 / 浸透流 / 浸潤線 / ドレーン |
Research Abstract |
今年度は均一型フィルダム-地山系の三次元浸透流解析を以下の項目について行った。 1.地山系を三角柱モデルとし、二次元モデルに対して山体の迫り出しを75%,60%,20%とし堤体内の浸潤面へ与える影響について実験を行った。この結果、20%では影響が少ないが、75%では設計基準の二次元モデルで得られる浸潤面とは大きく異なる結果を得た。 2.地山をV字谷モデルとした場合の浸潤面への影響を調べた。この地山形状は堤体下流側の通水断面積が激減するタイプである。二次元模型では安全を保っていたダムでも、この三次元モデルでは、地山の影響がダム下流側で大きく現れ貯留水深を上げたとき、ダム下流の堤体が崩壊した。V字谷モデルの延長上で逆台形のモデルについても実験を行ったがこのタイプはいずれもダム中央軸での浸潤線は二次元モデルより高い。 3.このため、V字谷モデルのダム下流側で上昇する浸潤面を押さえるための手段としてダムの法尻から一定幅の水平ドレーンを設置し、この水平ドレーンの埋設率が8%,31%,63%の場合についてその効果を調べた。この結果、ドレーンの設置はダム下流側の浸潤面を低く押さえることができるが、30%ほどの水平ドレーンでもダム天端からドレーン先端間の浸潤面を二次元で得られる水面まで低下させることは出来なかった。 4.今後、フィルダムの三次元数値解析を行う上で、コアタイプでは堤体内で不飽和領域が多くなるのでF.E.M.など取り扱いに注意が必要である。このため今年度は、前面コア型フィルダムのコア下面のサヤ土部分の不飽和領域の発生過程について実験的に調べた。この結果、コア土とサヤ土の透水係数比が10倍程度でも不飽和領域はかなりの範囲をもち、この比の増加につれコアの傾斜に関係無くサヤ土における等圧力線が平行に近づくことなどが分かった。
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