1996 Fiscal Year Annual Research Report
フィルダム-地山系におけるフィルダム三次元浸透流解析に関する研究
Project/Area Number |
07660308
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
角野 三好 弘前大学, 農学部, 講師 (80003523)
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Keywords | 均一型フィルダム / 前面コア型フィルダム / 三次元有限要素法 / 地山 / V字谷 / 浸潤面 / 亀裂 |
Research Abstract |
今年度は、以下の項目について三次元有限要素法の定式化を行い、数値実験を行った。 1.V字谷の地山に築堤される均一型フィルダムの場合 (1)前年度までの室内実験により得られている結果によれば、ダム下流側の浸潤面は設計基準で提示される二次元解析で得られる値より高い位置で求められるが、今年度の数値解析においても同様の結果が得られた。 (2)前年度はこの対策として、下流側で生ずる浸潤面の高さを下げるために、ドレーンを配置する事を提案したが、数値解析でこの効果について検討した。この結果、奥行き方向に全幅一杯にドレーンを設置しなくても効果が現れることなどが分かった。 2.地山を三角柱とした場合の均一型フィルダムの場合 (1)この場合の浸潤面を数値解析により求めた。この結果、浸潤面の形状はダムの堤頂部を過ぎて堤体断面が下流側に広がるにつれ地山方向に向かって低下して行く。一方、浸潤面の中央軸上の浸潤線の高さは二次元解析で得られる値より高い。 3.前面コア型フィルダムのコア部に亀裂が生じた場合 (1)二次元の場合、コア亀裂の位置が堤体の底に近ければ浸潤面への影響が少ない。一方、この亀裂の位置が水面に近くなればコアの効果は激減し、コア下面以降の浸潤線は、均一型の場合の浸潤線と近似してくる。 (2)三次元の場合、コア亀裂部分付近では浸潤面への影響は二次元の場合と同様であるが、亀裂個所から遠ざかると奥行き方向ではコアの効果が発揮され、明らかに二次元解析とは異なる結果が得られた。
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