1996 Fiscal Year Annual Research Report
山間地域を含む地域の気候・生態資源の評価に関する研究
Project/Area Number |
07660317
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Research Institution | SHINSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
星川 和俊 信州大学, 農学部, 助教授 (40115374)
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Keywords | 地域 / 気候資源 / 生態資源 / 評価 / 生産力 |
Research Abstract |
1.研究対象地域である松本盆地および伊那谷(広域調査)ならびに信州大学西駒演習林(細密調査)における地形資料,水文気象等の実測・データ収集を行い,さらに研究フィールドでの土地利用実態等の基礎資料を整備した. 2.既存の信州大学山岳気象観測網:SUMIDAでの現地観測データ,AMeDAS観測点の資料から,主に山間域における地形と気象条件の変動について検討を行った.とくに,気温減率,気温逆転等の分析から,気温環境に及ぼす地形的な影響について,いくつかの興味ある知見を得た. 3.近年,情報ネットワーク化の中で,数多く設置が見られる地域農業気象観測局の実態を調査し,現状,今後の課題等を考察した.同時に,このようなオンライン気象情報を生態資源管理に効果的に活用する方法として,温度変換日数理論による果樹開花の予測法を検討し,今後の実用化の可能性を示唆した. 4.研究対象域での地形,土地利用,ならびに気象条件を中心とした観測データから地域データベースの作成,整備を進めた.また,地表面の土地利用や植生等の被覆状況を地域全体に渡って分析するために,衛星データのリモートセンシング解析を一部実施した.しかし,これらの種々の地域属性の相互間分析を研究対象全域で実施するには至らず,今後の重要な課題として残された. 5.地域の生態資源の評価に際して,生態環境,土地利用,生産力という概念,相互の関係性の検討から,地域固有な自然立地条件にもとづく潜在生産力評価の重要性を検討した. 6.以上の結果をとりまとめて報告書の作成を行った.
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