1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07660326
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
筑柴 二郎 九州大学, 生物環境調節研究センター, 助教授 (00127458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 明 佐賀大学, 海浜台地生物生産研究センター, 教授 (70038305)
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Keywords | SPAC / 根の吸水 / 水分移動 / 植物ホルモン / 信号伝達 / 蒸散速度 / 数値モデル / シミュレーション |
Research Abstract |
本研究では,植物根で生成されたホルモンが葉の気孔に作用して,蒸散をコントロールしているという最近の発見された知見に基づいて,新たに土壌-植物-大気連続体(SPAC)のシミュレーションモデルを作成することを目的とした. モデルの構築に当たっては,次のことを仮定した. 1)蒸散要求土は1日当たり10mmとし,蒸散速度は昼間正弦関数の分布に従うものとする. 2)全根長を10000mとし,地表が密で深くなるにつれて粗な分布とした. 3)初期土壌水分量は,土層全体にわたって均一に分布しているものとした. 4)根の吸水速度は負飽和透水係数と活性根の長さに反比例するものとした. 5)ホルモンの生成は土壌の表層の水分に反比例するものとする. 6)実際の蒸散要求度はホルモン量によってコントロールされ,スウィッチオフ関数に従うものとした.この関数は2つのパラメータを含む減少関数である. シミュレーションに当たっては、土層をいくつかのコンパートメントに分け,水分吸収,水分移動を計算した.地表境界部の根の水ポテンシャル(クラウンポテンシャル)を決定変数とし,蒸散速度と根の吸水速度とが一致するように計算を繰り返す.土壌の物理特性は予め与えられているものとする.シミュレーションは12日分を行った. 本モデルに含まれる,ホルモンの作用をコントロールしている3つのパラメータについて感度解析を行った.パラメータ値を適切に選択することによって,SPAC内の水の流れに対する根からの信号の影響をうまく説明できることが分かった.
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Research Products
(1 results)