1995 Fiscal Year Annual Research Report
我国の古代水田構造と灌漑・排水組織の形成と発展過程に関する農業土木的研究
Project/Area Number |
07660330
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
佐藤 裕一 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (90091644)
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Keywords | 古代水田 / 古代用・排水路 |
Research Abstract |
平成7年度は下記に示す調査、資料の整理および試験を行った。 (1)、古代(縄文〜古墳)の水田遺構の発掘が盛んな静岡、大阪、岡山、福岡、佐賀および群馬県の水田と水路遺構発掘資料の収集を行ない、その一部を検討した。 (2)青森県田舎館村乗柳遺跡地区において、平成7年度発掘中の弥生時代中期の水田と水路遺構の地形測量、土壌調査、土壌のサンプリングおよび土壌の物理試験を行った。 その結果、(1)で収集した資料の整理および検討から、古代の水田は、その導入期から、水田、用・排水路および堰等の組織が比較的整っていた。すなわち、大陸からの導入初期には低地(湿地)を求めて開田が進められたものと考えられていたが、自然堤防の背後、低台地にも開田が及び、湿田型の水田は勿論のこと、乾田型に近い水田稲作が営まれていたようである。その立地は多様性に富んでいたようである。 (2)の結果から、これまでの各地の水田遺構の調査から、小アゼは土が盛られたに止まり、踏み固められてはいないと言われていた。乗柳地区の弥生時代中期水田の田面と小アゼ構成土壌の物理性(土の硬度、乾燥密度)試験結果から検討し推察すると、アゼ土は田面上に比べやヽ硬く、固められていた可能性がある。 平成8年度は上記(1)について検討する。
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Research Products
(1 results)