1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07660336
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
赤瀬 章 山形大学, 農学部, 助教授 (30007075)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上出 順一 山形大学, 農学部, 教授 (20007082)
|
Keywords | 加工用さくらんぼ / 機械収穫 / 小枝 / 小型シェ-カ / ストローク / 落果率 / 果梗付き率 / 着色加工 |
Research Abstract |
山形県のさくらんぼの出荷量は,年間,生食用7900トン,加工用3900トンであり,現在その全量が手摘みされている。しかし摘み取り労働力の不足から加工用さくらんぼの機械収穫は強く望まれている。そこで小型シェ-カで小枝を振動する方式で機械収穫の実用化を検討した。梅用シェ-カを使った昨年の圃場試験および結果枝を振動する基礎試験から,振幅を大きくするべきであるとの結論を得て,シェ-カのストロークを大きく改造して圃場試験を行った。その結果,下記の条件が満たされると加工用さくらんぼの振動収穫が可能になることが明らかになった。(1)シェ-カの条件として,振動数は約800cpmである。それより低いと落果率が低下し,高いと果梗抜け果が増大する。シェ-カのストロークは約8cmが適当であり,それより低いと果梗抜け果が増大する。(2)振動収穫に適したさくらんぼは果肉の硬い品種(ナポレオン)であり,収穫適期は,果皮色が黄色の時であり,青くても赤くてもいけない。(3)枝は垂れておらず,またほぼ水平に伸び,大きな側枝がないものが良い。着果状態は,房状でなく単粒,複粒が良い。このような条件で収穫したさくらんぼでは,5秒間の振動による落果率は80から100%と高く,また果梗付き率は約80%と高かった。このようにして収穫された果実をクーラーボックスに入れ加工場に搬入し直ちに(収穫2時間後)着色加工し瓶詰めにした結果,手摘みのさくらんぼの加工製品と比較しても全く遜色のない製品が得られた(損傷率は3.6%であったが損傷は軽微であった。)。今後さくらんぼ樹の剪定・整枝方法を検討することにより,振動収穫が可能な枝が増加し,収穫の精度,能率が改善されると思われる。
|