1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07660338
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Research Institution | Tokyo University of Fisheries |
Principal Investigator |
戸田 勝善 東京水産大学, 水産学部・海洋生産学科, 助手 (70262342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢田 貞美 東京水産大学, 水産学部・海洋生産学科, 教授 (60230249)
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Keywords | 水中ロボット / 非線形システム / ロバスト制御 / 線形化 / スケーリング付H∞制御 |
Research Abstract |
昨年度は,水中移動体の運動に流体力等の非線形力が大きく影響することを考慮し,このような非線形システムの制御系として非線形状態フィードバックおよび線形ロバスト補償器による制御系についての検討を行った.モデル誤差や状態観測誤差が存在する非線形プラントについては,非線形状態フィードバックによる厳密な線形化は不可能である.この不完全に線形化されたシステムをパラメータ誤差や外乱の影響を受ける線形システムとみなし,構造化変動を考慮した線形ロバスト制御問題としてスケーリング付H∞補償器を設計するための定式化を行った.さらに簡単な例題をもとに制御系設計を行い,シミュレーションにより本設計手法が有効であることを確認した. 本年度は,引き続き本制御系設計手法に関する研究を行った.とくに,このような制御系の制御性能とプラントに存在する非線形項の種類やノイズの性質との関連について検討した.代表的な非線形項として,流体力に見られる状態の多項式項,重力や浮力等に見られる三角関数項を考慮した.また,観測ノイズの性質として,白色ノイズ,有色ノイズ,様々な周波数の正弦波ノイズを考慮した.さらに,これらの要因に対して,設計段階で観測誤差を陽に考慮した場合としなかった場合の追従制御における制御性能の違いをシミュレーションにより解析した.その結果,これらの具体例についてある程度の知見は得られた.しかし,一般的な結論を得るためにはさらなる検討を要する.
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