1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07660345
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 秀幸 東北大学, 遺伝生態研究センター, 教授 (70179513)
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Keywords | 宇宙環境 / 根 / エンドウ / 水分屈性 / 重力 / カルシウム / 細胞壁 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
本研究では、宇宙における植物栽培を可能にするために必要な養水分供給システム、それに対応した根の生長制御法を開発することを目的に、根の水分屈性の発現機構とその作物栽培への応用に関する基礎的研究を行った。 重力反応を欠損したエンドウの突然変異体を用いて宇宙環境下での根の生長を模擬した条件下で、根の水分屈性発現のための水分勾配刺激感受に要する時間と刺激感受部位から反応部位に刺激が伝達されるのに要する時間を検討した結果、根冠による刺激感受に要する最小時間は2分以内であるが、その刺激が根冠から屈曲反応部位の伸長帯に移動するのに要する時間は90分以上であることがわかった。また、水分屈性の発現には根冠における細胞外カルシウムとその細胞内への動員が重要であることがわかった。一方、重力屈性を失った突然変異体では、根の初期伸長域がカルシウムに対して不感受性であり、それが重力反応異常の原因であることが示された。しかし、この突然変異体の根は顕著な水分屈性を示す。したがって、これらの結果は、根の重力屈性と水分屈性のシグナル伝達に異なるメカニズムの存在することを示している。さらに、根の水分屈性は伸長帯の細胞壁の伸展性の偏差的な差異によって生じることが明らかになり、その細胞壁伸展性を制御すると考えられるエンド型キシログルカン転移酵素遺伝子をエンドウの根から単離することに成功し、その遺伝子発現と水分屈性の関係を明らかにした。このように、宇宙環境下で根の生長を制御するためには、根の重力に対する反応を利用することはできないが、重力屈性とは発現機構を異にする水分屈性の性質を利用することが可能である。
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[Publications] Stinemetz, C. 他: "Characterization of hydrotropism : the timing of perception and signal movement from the root cap in the agravitropic pea mutant, ageotropum." Plant and Cell Physiology. 37・6. 800-805 (1996)
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[Publications] Takahashi, H. 他: "Induction of hydrotropism in clinorotated seedling roots of Alaska peas, Pisum sativum L." Journal of Plant Research. 109・1095. 335-337 (1996)
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[Publications] Takano, M. 他: "Calcium requirement for the induction of hydrotropism and enhancement of calcimuinduced curvature by water stress in primary roots of pea, Pisum sativum L." Plant and Cell Physiology. 38・4(印刷中). (1997)
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[Publications] Hirasawa, T. 他: "Water potential, turgor and cell wall properties in elongating tissues of the hydrotropically bending roots of pea, Pisum sativum L." Plant, Cell and Environment. (印刷中). (1997)
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[Publications] Takahashi, H.: "Gravimorphogenesis : the gravity-regulated formation of peg in cucumber seedlings." Planta. (印刷中). (1997)
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[Publications] Suge, H. 編: "Plants in Space Biology (英文)" Institute of Genetic Ecology, Tohoku University, 270 (1996)