1995 Fiscal Year Annual Research Report
反芻動物の下部消化管における栄養素吸収に関する安定同位体元素の応用
Project/Area Number |
07660354
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
小田 伸一 岩手大学, 農学部, 助教授 (60211827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 芳也 岩手大学, 農学部, 教授 (50003786)
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Keywords | グルコース吸収 / 安定同位元素 / ヒツジ / 門脈血流量 |
Research Abstract |
平成7年度は2つの実験を行った。試験1としてヒツジを供試し、粗飼料区と、濃厚飼料区を設け、十二指腸へのグルコースならびにデンプン流入量を給餌後12時間にわたって測定した。飼料給与量は、粗飼料区で平均754g/日(うちグルコース+デンプン含量はグルコース換算で34.8g/日)であり、濃厚飼料区の平均給与量は503g/日(230g/日)であった。なお、両飼料区で給与したTDN量は同じとした。給餌後12時間の間に十二指腸に流入したグルコース+デンプン量は、粗飼料区で4.3g/12h、濃厚飼料区で10.2g/12hであり、これは、それぞれ給与量の12.4%、4.4%であった。 次いで試験2として、U-^<13>C-グルコースをトレーサーとして消化管からのグルコースの吸収量を求めるために、ヒツジの肝門脈と前腸管膜静脈にカテーテルを装着し、給餌後6時間まで経時的に肝門脈と頚動脈より採血を行った。そして、グルコースの動-静脈濃度差に門脈血流量を乗じることで門脈での吸収量を算出した。門脈血流量は、粗飼料区の給餌前で約1.3l/分から給餌後6時間の平均で1.8l/分になったのに対し、濃厚飼料区では給時前で約1.1l/分から給餌後1.6l/分に有意に増加した。一方、粗飼料区と濃厚飼料区の間には差は認められなかった。給餌後6時間の総グルコース吸収量は、粗飼料区で-4.2g、濃厚飼料区で6.2gとなり、濃厚飼料区の方が高い傾向にあった。また、試験1において給餌後6時間のグルコース+澱粉の腸管内消失量を求めると、粗飼料区では1.6g、濃厚飼料区では6.3gとなり、吸収量と近似した値であった。 現在、新しく開発されたガスクロマトグラフ・アイソトープ比検出型質量分析計(GC-IR-MS)により血漿U-^<13>C-グルコースの測定に関して検討中である。
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