1995 Fiscal Year Annual Research Report
放牧用牧草ケンタッキーブルーグラスの生産特性の解明と管理利用法の確立
Project/Area Number |
07660356
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
伊東 睦泰 新潟大学, 農学部, 教授 (70018787)
|
Keywords | ケンタッキーブルーグラス / 根茎 / ファイロクロン / 分げつ / 密度 |
Research Abstract |
1995年7月13日にケンタッキーブルーグラスの模擬草地を造成し,砂耕栽培を開始した。50日後の9月4日に最初の刈取りを実施,以後,4週間および2週間間隔で刈取りを繰り返した上で,収量,出葉,茎数密度等の推移を追跡した。また,9月4日および11月4日(最終刈時)には,個体を堀取り,直立分げつおよび根茎の発達状況を形態観察した。 (1)ケンタッキーブルーグラス幼植物は旺盛に分げつ発生を繰り返し,9月4日には,分げつ密度は7000茎/m^2を超えた。9月から10月初めまではやや停滞するものの,その後は各刈取処理区とも分げつの新生が旺盛となって,12月15日には20000茎/m^2近くとなり,自己間引きの3/2剰則における最多密度線に迅速に接近する現象が認められた。 (2)ケンタッキーブルーグラスの母茎のある葉nの出現は,その2節下の分げつの第1葉の出現と一致し,イネ・ムギ類と類似の分げつ発生秩序を示すことを確認した。9月4日の個体では,最上位の分げつ発生節位では明らかに規則的な分げつ発生が抑制されているのに対して,下位の節位の分げつほどそれぞれの理論的な展開葉数との偏差が少なくなっていた。一方,晩秋の11月4日の2週間間隔および4週間間隔刈区の直立分げつでは,最上位の1,2節で規則的な分げつ発生が認められるのに対して,それより下位では大部分が7枚前後に幼葉を分化した状態で休眠していた。 (3)9月4日の段階で,既に5〜80mm程度に発達した根茎が相当数,観察された。また,根茎様の内部形態を備えた休眠芽も多く観察された。11月4日採取の直立分げつ基部からはさらに多くの根茎が生じていたが,これらは葉身を持たない鱗片葉を形成しながら10〜15節間程度を伸長させて横走の後,規則的に直立分げつ化した。直立茎化した分げつにおいては,再度,規則的な分げつ発生が繰り返された。
|