1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07660357
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
横田 浩臣 名古屋大学, 農学部, 助教授 (40023478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 光昭 名古屋大学, 農学部, 教授 (20035976)
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Keywords | 反芻動物 / 粗飼料 / 揮発性脂肪酸 / アンモニア / 注入 / イナワラ / 利用 |
Research Abstract |
反芻動物に給与されている粗飼料を全世界的な視野でみると、低品質なものを与えられている動物の方が多いであろう。これらの低品質粗飼料の利用性を向上させる目的で行われている研究である。その一法として反芻胃内における窒素とエネルギーの利用の関係を、反芻胃内のアンモニアおよび揮発性脂肪酸(VFA)の濃度から明らかにしようとした試みである。 低品質粗飼料の代表としてイナワラを用いた。実験動物としてシバヤギを用い、ルーメンにフィステルの装着手術を行い、そのフィステルから薬物の連続注入を可能にした。ルーメン内のアンモニアおよびVFA濃度は、胃管を通して経時的に採取した。イナワラの利用性を観察するためには消化率を測定すれば正確に判断できるが、今年度はそれは行わなかった。イナワラのみを摂取しているときにはルーメン内アンモニア濃度は4mgN/100ml以下であった。しかし専管フスマを1日100g午前9時のイナワラ給与前に与えると、4時間後にはアンモニア濃度は最高値を示し、7〜9mgN/100mlとなった。VFA濃度はイナワラ単独給与の場合には7.5mmole/100ml以下であったが、フスマを添加すると4時間後には8mmole/100mlに増加した。一方、ルーメンフィステルを通してアンモニアを2gN/hourの速度で注入した場合には、1時間後には44mgN/100mlに増加し、2時間後には20mgN/100mlに減少したものの、その後は上昇を続けた。この時、VFA濃度は2時間後のアンモニア濃度の減少時に減少し、4時間後には元の濃度に戻った。これらの結果から、アンモニアが単独でルーメン内に注入されたときにはエネルギー源であるVFA濃度も変化し、アンモニアの利用に変化を及ぼしていることが分かった。
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