1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07660358
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
谷口 幸三 広島大学, 生物生産学部, 教授 (30093777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小櫃 剛人 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (30194632)
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Keywords | 米糠 / 脂質 / 消化 / 微生物合成 / 去勢牛 |
Research Abstract |
反芻家畜用飼料の栄養価値を消化管各部位における消化性の面から評価することを目的として、第一胃・十二指腸上部・回腸末端にカニューレを装着した4頭のホルスタイン去勢牛を用いて、糟糠類(生米糠、加熱米糠、脱脂米糠ならびにフスマ)の給与に伴う反芻胃・小腸・大腸での栄養素の消化性、反芻胃内でのin situ分解(ナイロンバック法,48時間まで)および十二指腸への微生物蛋白質の移行質の移行量を比較検討した。各糟糠類を35%、乾草を40%、他の補足飼料を25%を配合した4種類の飼料を供試し、各飼料の蛋白質含量は14%、飼料給与量は維持可消化エネルギーの1.8倍相当量とした。以下の結果を得た。 1.in situでの乾物消失率は、1)24時間目までは生米糠に比べて脱脂米糠が低かったが、その後、逆転した。2)加熱米糠では生米糠では生米糠に比べて常に低かった。3)しかしin vivoでの反芻胃内乾物消化率の傾向とは一致しなかった。2.可消化エネルギーの実際の摂取量は、生米糠区と加熱米糠区が脱脂米糠区、フスマ区よりも低くなった。これは1)反芻胃内での維持消化率が抑制されるあけでなく、2)小腸内での米糠脂質の消化性が低いことによるものであった。3.1)非構造性炭水化物の消化率は、全消化管では78〜84%の範囲にあった。2)非構造性炭水化物の内、デンプンの反芻胃内消化率は各飼料区とも90%以上であった。3)しかし非デンプン分画の反芻胃内消化率は40%以下であった。4.1)反芻胃内での可消化炭水化物量は、2.0〜2.8kg/日で、生米糠区と加熱米糠区で少なかった。2)それに対応して、十二指腸への微生物蛋白質移行量も28〜39g/日の範囲で変動した。5.これらの結果は、1)飼料価値を消化管部位別消化から評価することの重要性と、2)米糠を反芻家畜用飼料として利用するためには、脱脂処理が望ましいことを示している。
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