1995 Fiscal Year Annual Research Report
ラジオアイソトープによるカゼインミセル中のリン酸カルシウム架橋の解析
Project/Area Number |
07660362
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
青木 孝良 鹿児島大学, 農学部, 教授 (70034460)
|
Keywords | カゼインミセル / カルシウム / 無機リン酸 / リン酸カルシウム / ラジオアイソトープ |
Research Abstract |
カゼインミセル中のカルシウム(Ca)と無機リン酸(Pi)は溶解相と平衡状態にあるが,その実態はまだ十分明らかにされていない。そこで,脱脂乳を超遠心分離して得られたカゼインミセルを人工乳清中に分散させて調製したカゼインミセル分散液(CMD)に^<45>Caおよび^<32>Pを添加し,放射活性を調べることによりカゼインミセル中のCaとPiの挙動を追跡した。CMDをセントリザルトIで限外濾過し,溶解相とコロイド相の分離を行った。CMDのコロイド相のPiの30-40%が溶解相のPiと交換されにくかった。溶解相とコロイド相のCaとPiの交換は25℃より4℃の方が遅く,交換速度は温度に依存しているものと考えられた。^<45>Caおよび^<32>Pを添加したCMDを6M尿素で解離させた後高速液体ゲルクロマトグラフィーを行い,ミセル性リン酸カルシウム(MCP)架橋カゼイン会合体、カゼインCa単量体および低分子画分に分けた。^<45>Caおよび^<32>PはMCP架橋カゼイン会合体画分と低分子画分に溶出され,カゼインカルウム画分には溶出されなかった。MCP架橋カゼイン会合体画分に溶出した^<45>Caおよび^<32>P量はCMDに^<45>Caおよび^<32>Pの添加後の放置時間の増加と共に増加した。MCP架橋カゼイン会合体画分の^<45>Caおよび^<32>P量は,限外濾過法で得られたコロイド相のそれより著しく低かった。したがって,カゼインミセル中には交換されにいCaとPiが存在することが示唆された。また、MCPカゼイン会合体画分の^<45>Caおよび^<32>P量は90℃,30分間の加熱により著しく増加したことから、加熱は溶解相とコロイドのCaとPiの交換を促進するものと思われた。
|
Research Products
(1 results)