1995 Fiscal Year Annual Research Report
メン羊後追い放牧によるウシ放牧草地の牧草季節生産性の平準化
Project/Area Number |
07660365
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
杉浦 俊弘 北里大学, 獣医畜産学部, 助教授 (30146518)
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Keywords | メン羊 / 後追い放牧 / 牧草地 / 採食部位 |
Research Abstract |
山間部の公共牧場の現況 青森県や秋田県の公共牧場を対象としたが,その中でも秋田県森吉町で最も詳細に調査した。この地域は,古くから牛馬の放牧地として有名であり,林間放牧が行われてきた。そのような歴史的な背景の中で公共牧場が造成されたが,近年では放牧頭数が減少しており,放牧地よりも草地の保健保養機能を重視した利用への転換が迫られている。平成7年度には,総面積425haを約19haで22の牧区に区切り,6月1日からの4か月半に,成牛203頭と子牛106頭を放牧していた。各牧区へは,成牛を約50頭ずつ子牛と共に4つの牛群に分け,平均12日間ずつで牧区を移動する輪換放牧を行ったいた。ここの植生は,5草種の牧草を含む20種類が確認された。牧場全体の積算優占度の平均値では,牧草種が25%から85%の間でいずれも高い値を示したが,牧区ごとに詳細に調べるとアザミやエゾノギシギシ,スゲなどが優占しているところもあった。また放牧圧の弱い牧区では,オ-チャードグラスの枯死個体が多くみられ,草地が荒廃していた。 牛とめん羊の採食特性のちがい 大学付属農場において,放牧めん羊の採食部位などについて調査した。めん羊は,放牧初期には葉よりも茎を,雑草よりも牧草をより多く採食し,選択性が牛よりも強かったが,放牧日数の経過と共に牧草の低い部位まで採食するようになり,雑草の採食量も多くなった。再生したきた群落には枯死部が少なく,とくにシロクローバの分げつ数の増加が特徴的であった。
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