1996 Fiscal Year Annual Research Report
ニワトリ卵巣における小卵胞の急速成長相への転移機構
Project/Area Number |
07660384
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
今井 清 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (90023423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 藏 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (90115543)
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Keywords | 卵胞の急速成長 / 卵胞転移時間 / 卵胞転移のホルモン調節 / 小卵胞のエストラヂオール産生能 |
Research Abstract |
1.白色レグホン産卵鶏において、C_s卵が9時台(14L/10D、明開始5:00)に放卵された場合、放卵後8〜11時間に卵胞転移が高頻度で起こることを以前の報告で見出したが、さらにC_s放卵が10時台であった個体の卵胞転移時間について追究した。得られた結果を総合し、C_s放卵が9〜10時30分に起こった場合には卵胞転移時間帯が放卵後8〜11時間であると結論した。 2.実験当日のC_s放卵予想時間が9時〜10時30分である個体に対し、Aminoglutethimide (AG) 100mg/Kg体重を放卵前2時間に投与した。放卵後4、8および12時間に赤または黒のSudan色素を交互に静注し、放卵後14時間に卵胞を摘出して小卵胞への色素取り込みにより急速成長相への転移時間を判定した。その結果、放卵後2時間でのAG投与は卵胞転移に影響を及ぼさないことを見出した。AGによるステロイド産生阻害は投与後約4時間持続し、その後ホルモンレベルは回復することを血中ホルモン濃度の測定により確認したので、卵胞転移時間からみて本結果は妥当なものであると考えた。放卵後2時間でのAG投与により卵胞転移は約50%の個体で抑制され、また転移が起こった場合でも時間的に遅延した例が多くみられた昨年度の結果と考え合わせれば、ステロイド特にエストラヂオール(E_2)が卵胞転移に関与している重要性が一層示されたものといえる。 3.上記と同様の動物に対しC_s放卵後2または1時間にAGを投与し、放卵後5および12時間で卵巣から転移以前の小卵胞のうち湿重量順に上位5個を採取した。個々の小卵胞の卵胞膜を1時間培養して培養液中のE_2濃度を測定した。その結果、AG投与鶏の卵胞におけるE_2産生能は対照(Vehicle投与)より有意に低かったものの、他に比して産生量の高い小卵胞が各卵巣に1個存在していた。
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