1995 Fiscal Year Annual Research Report
マイコプラズマの16S-23S rRNA遺伝子間スペーサーの解析とその応用
Project/Area Number |
07660398
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
原澤 亮 東京大学, 医学部(医), 助教授 (70159101)
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Keywords | マイコプラズマ / リボソームRNA / スペーサー |
Research Abstract |
申請者はこれまでに、あらゆるマイコプラズマの検出が可能な普遍的なPCRプライマーを開発してきている。このPCRプライマーは16S-23S rRNA遺伝子間スペーサー領域を標的とするものである。平成7年度はこのユニバーサル・プライマーを用いて、ヒトおよび動物由来のウレアプラズマ(尿素分解性マイコプラズマ)の16S-23S rRNA遺伝子間スペーサー領域をPCR法により増幅させ、アガロースゲル電気泳動装置により分画し、ゲルからDNA断片を回収した。さらに、このDNA断片をエタノール沈殿により精製した後、PCRに用いたユニバーサル・プライマーを再び用いて、哺乳動物由来のウレアプラズマ4菌種(Ureaplasma diversum,U.cati,U.felinum,U.canigenitalium)の16S-23S rRNA遺伝子間スペーサー領域の塩基配列をサンガー法により決定した。これまでに申請者はヒト由来のウレアプラズマについては調査済であるので、今回の研究によりヒトを含む哺乳動物由来ウレアプラズマのすべてについて16S-23S rRNA遺伝子間スペーサー領域の塩基配列を手に入れたことになる。塩基配列の解析は、パソコンを用いて行い、塩基配列のデータベースはCD-ROMを用いて検索した。その結果、ウレアプラズマ菌種はその宿主であるヒトを含む動物種と共進化してきたことが示され、マイコプラズマと動物の宿主寄生体関係に新たな知見をもたらした。すなわち、マイコプラズマは宿主特異性がきわめて強い微生物であり、宿主となる哺乳動物の系統進化から推定すると動物ウレアプラズマの種の成立は中生代白亜紀にまで遡るものと思われた。これはマイコプラズマ系統進化の研究発展に大きな布石となる成果である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Harasawa,R.: "Adventitious pestivirus RNA in live virus vaccines against bovine and swine disease." Vaccine. 13. 100-103 (1995)
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[Publications] Harasawa,R.: "A novel repetitive sequence from Mycoplasma hyopneumaniae." J.Vet.Med.Sci.57. 557-558 (1995)
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[Publications] Harasawa,R.: "Sequence analysis of the 5'untranslated region of pestivirus RNA demonstrated in interferons for human ase." Biologicals. 23. 263-269 (1995)
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[Publications] Matsuda,K.: "Identification of phosphocboline-containing glycogycenolipids purified from Mycoplasma fermentans-in fected human T-call." Microbiol.Immunol.39. 307-313 (1995)
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[Publications] Harasawa,R.: "Characteristics of the 5'untranslated region of pestivirus RNA demonstrated in mammalin cell." Microbiol.Immunol.39. 979-985 (1995)