1995 Fiscal Year Annual Research Report
神経活動におけるホスホリパーゼA_2活性化の生理的意義
Project/Area Number |
07660407
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
竹内 正吉 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (00171611)
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Keywords | ホスホリパーゼA_2 / モルモット回腸壁内神経叢 / アセチルコリン放出 / プロテインキナーゼA / cyclic AMP / ラット唾液腺 / 膜融合 / アミラーゼ分泌 |
Research Abstract |
モルモット回腸壁内神経叢を用い、ホスホリパーゼA2(PLA2)の活性化により膜から遊離してくるアラキドン酸から生合成されるプロスタグランジン(PGs)が、細胞内のcyclic AMPレベルを調節することにより、アセチルコリン(ACh)放出を調節していることを明らかにした。すなわち、ニコチン刺激によるACh放出がプロテインキナーゼA活性を抑制するH-89により抑制されること、また、PGs合成阻害剤により抑制されたACh放出のPGsによる回復がH-89により濃度依存性に抑制されることから示された。また、PGsによる調節を受けていない電気刺激やセロトニンによるACh放出に対してはH-89は全く作用を示さなかった。更に、単離した腸壁内神経叢にPGsを作用させたところ細胞内cyclic AMPレベルが増加することも確認した。 ラット唾液腺より、膜標本と分泌顆粒を別々に単離した。両標本を単純に混ぜ合わせただけでは反応は全くみとめられないが、膜標本をPLA2処理したところ、膜融合とアミラーゼ分泌がCa2+非存在下に生じ、分泌系において、PLA2は分泌の最終段階、膜融合時に作用していることを明らかにした。また、この時アラキドン酸は相乗的に作用していること、その代謝産物は影響していないことも示した。
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[Publications] Tadayoshi TAKEUCHI: "Effects of H-89,an inhibitor of protein kinase A,on the acetylcholine release from myenteric plexus of guinea pig ileum" Journal of Smooth Muscle Research. 31. 143-151 (1995)
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[Publications] Takahiro NAGAO: "Ca^<2+>-independent fusion of secretory granules with phospholipase A_2-treated plasma membranes in vitro" Biochemical Journal. 307. 563-569 (1995)