1997 Fiscal Year Annual Research Report
催吐活性毒素(ブドウ球菌エンテロトキシンとセレウス菌嘔吐毒)の構造と機能の比較
Project/Area Number |
07660414
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Research Institution | Faculty of Agriculture, Iwate University |
Principal Investigator |
品川 邦汎 岩手大学, 農学部, 教授 (60133906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 紀夫 岩手大学, 農学部, 助教授 (40092308)
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Keywords | 黄色ブドウ球菌 / エンテロトキシンA / 合成ペプチド / 抗原決定部位 / INF-γ産生 |
Research Abstract |
ブドウ球菌エンテロトキシンA(SEA)分子上のIFN-γ産生誘導活性部位を解析する目的で、合成ペプチドおよび各抗ペプチド血清を用いて検討し、以下の結論を得た。 1.IFN-γ産生量はSEA(50〜5×10^<-6>μg/ml)に対し、濃度依存性が見られた。また、IFN-γの産生量は1〜3日間培養で経時的増加し、IFN-γ産生量は三日目に最高(1330pg/ml)に達した。 2.SEAに対して合成ペプチドA-9は競合抑制が見られ(500μg/ml)で68〜80%,、100μg/mlで45〜62%抑制)、その抑制はペプチド量と相関していた。 3.SEAのIFN-γ産生誘導に対する抗SEA血清の中和活性について、IFN-γ産生抑制率は抗SEA血清力価に依存性が見られ、SEAのIFN-γ産生誘導活性に対して、抗SEA血清は十分な中和活性を持っていることが明らかになった。 4.SEAのIFN-γ産生誘導に対し、抗ペプチドA-9,A-1血清が最も高く、その抑制率50〜56%であった。なお、抗ペプチドA-7およびA-8血清も30〜40%の抑制率を示したが、その他の抗血清は有意な中和活性は示さなかった。 以上の結果から、SEAのIFN-γを誘導産生する活性部位としては、SEAのN-末端から161〜180個のアミノ酸配列を示す部位であると考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hu,D-L.et.al.: "Epitope analysis of staphylococcal enterotoxin A using different synthetic peptides." J.Vet.Med.Sci.(submitted). (1998)
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[Publications] Hu,D-L.et.al.: "Identification of immunologically functional site (s) on staphylococcal enterotoxin A molecule associated with production of murine gamma interferon by using various synthetic peptides." Can.J.Microbiol.(submitted). (1998)
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[Publications] 胡 東良ら: "ブドウ球菌エンテロトキシンA分子上のIFN-γ産生誘導活性部位" 第125回日本獣医学会(宇都宮). (1997)