1995 Fiscal Year Annual Research Report
鶏腸内フローラによる競合的サルモネラ排除に関するメカニズム解明
Project/Area Number |
07660423
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
馬場 栄一郎 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (70081594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹井 和美 大阪府立大学, 農学部, 助手 (70211935)
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Keywords | ニワトリ / サルモネラ / 腸内フローラ / 競合的排除 / 接着性 / 嫌気性連続流動培養 |
Research Abstract |
腸内常在菌を組み合わせた細菌セットを用いて、鶏の腸管へのサルモネラ定着を防止する目的で研究を行い、現在までに次のような結果を得た。 1,成鶏の盲腸内容から非病原性で接着力の強い菌株を採取するため、嫌気性流動培養装置を用いて分離を行った。走査型電子顕微鏡による観察で、培養装置のガラス面に菌が着く様子は腸管粘膜表面に接着する様子によく一致した。 2,接着力の強い11種類の菌株を用いた細菌セットを作成し、現在までに乳酸菌4株などを含む7株について菌種の同定を行った。 3,細菌セットを嫌気性流動培養装置内に定着させたところ、その後接種したSalmonella Typhimuriumの定着が抑制された。しかしS.Typhimurium接種後に細菌セットを追加した時にはS.Typhimuriumの菌数は減少しなかった。腸内フローラによるサルモネラの競合的排除には常在菌の腸粘膜への接着が重要であると考えられる。 4,流動培養装置を用いた試験で、イ-ストがS.Typhimuriumの菌数を減少させた。多くのサルモネラの菌株がマンノース感受性の接着性を示すので、表面がマンノース残基で覆われているイ-ストはサルモネラを凝集しながら排除すると考えられる。 次年度は、今回得られた結果を利用して実用化のための示唆をする目的で、普通飼育鶏を用いて細菌セットのサルモネラ排除試験を行う。
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