1996 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリアセルロースの生産性の改善と複合結晶の結晶化過程に関する研究
Project/Area Number |
07660439
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Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
山本 裕之 福井工業高等専門学校, 一般科目教室, 助教授 (00158304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀井 文敬 京都大学, 化学研究所, 教授 (70124758)
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Keywords | バクテリアセルロース / ミクロフィブリル / TEM / CP / MAS^<13>C NMR / セルロースI_α(三斜晶系) / in situ 結晶化 / セルロースI_β(単斜晶系) / カルボキシメチルセルロースNa塩 |
Research Abstract |
1.バクテリアセルロースの生産性の改善 (1)金属塩添加の影響 Mg塩およびリン酸水素二カリウムを添加したHestrin-schramm(HS)培地ではHS培地のみに比べ、約2倍程度生産量の増加が認められた。一方、Al,Fe,Ca,Kの硫酸塩添加では生産量の増加は認められなかった。 (2)その他の添加剤の影響 リグニンおよびリグニンスルホン酸ナトリウムの添加で2〜3倍程度生産量の増加が認められた。カザミノ酸、フィチン酸の添加では生産量に影響は認められなかった。 2.バクテリアセルロースの複合結晶の結晶化過程 天然セルロースはセルロースI_α(三斜晶系)とI_β(単斜晶系)の複合結晶であり、その存在比は天然セルロースの種類により異なる。バクテリアセルロースをモデルケースとしてこのI_αおよびI_βへの結晶化過程を検討した結果、生成するミクロフィブリルのサイズと相関関係のあることが明らかになった。すなわち、ミクロフィブリルのサイズが小さくなるとI_βの結晶化が優先的に起こる。これらのことから、I_αはミクロフィブリルのねじれに基づいて誘起されるずり応力下で結晶し、I_βは応力の小さいか無い条件下で結晶化すると推定した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hiroyuki Yamamoto: "In Situ crystallization of bacterial cellulose II. Influences of diffrerent polymeric additives on the formation of celluloses I_α and I_β at the early stage of incubation" CELLULOSE. 3. 229-242 (1996)
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[Publications] Fumitaka Horii: "Microstructural Analysis of Microfibrils of Bacterial Cellulose" Proceedings of the 2nd Japanese German Seminar. (1996)
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[Publications] Asako Hirai: "In Situ Formation of Organized Structure of Bacterial Cellulose" ICRIS 1st. (1996)
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[Publications] 堀井 文敬: "バクテリアセルロースのミクロフィブリル構造" Preprints of '94 Cellulose R&D. 11-12 (1996)
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[Publications] 瀬戸川 城将: "バクテリアセルロースの生産性向上のための研究(I)-高分子添加剤、炭素源の影響について-" 福井高専研究紀要. 29. 199-202 (1996)
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[Publications] 山本 裕之: "バクテリアセルロースのミクロフィブリル構造の固体高分解能NMR研究" 高分子学会予稿集. 44. 741-741 (1995)