1996 Fiscal Year Annual Research Report
オーキシン化合物による毛状根誘発遺伝子発現調節の解析
Project/Area Number |
07660443
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 伸和 広島大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (50263744)
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Keywords | アグロバクテリウム / 毛状根 / オーキシン / プロモーター / 転写調節 / T-DNA |
Research Abstract |
Agrobacterium rhizogenes MAFF301724株のrolB遺伝子のオーキシン化合物による発現調節を調べるためには、本遺伝子のプロモータの機能領域を明らかにする必要がある。しかし、本年度は、始めに、昨年度の継続として、ノーザン・ハイブリダイゼーション法とRT-PCR法で、上記菌株の保有するプラスミドpRi1724のT-DNA上のrolBを始め毛状根誘発に関わる遺伝子群を含む7つのORFの転写の有無を決定した。これらのORFのうち、ORF8以外は毛状根内で転写されているが、ORF13の転写量は他のORFに比べ非常に少ないことが明らかとなった。また、転写の方向は、推定されているORFの方向と一致したが、ORF8,10,12,13aでは逆鎖にも微量の転写産物が存在する可能性が示された。ただし、rolB遺伝子のみ、RT-PCRで使用したantisense primerでは増幅が見られず、これより約280塩基対上流のantisense primerで増幅が見られ、本遺伝子の後半部でスプライシングが生じる可能性が示唆された。次に、rolB遺伝子の転写開始点をプライマー伸長法によって明らかとした。転写開始点は翻訳開始点の43塩基上流にあり、さらにその29塩基上流にTATA box様配列(TATT)が存在することが明らかとなった。そこで、これらのプロモータ配列を含む約1.2キロ塩基対のrolB遺伝子上流配列を単離し、β-グルクロニダーゼ(GUS)遺伝子上流に連結したプラスミドを作製した。rolB遺伝子転写の必須領域ならびにオーキシンによる転写促進に関わる領域を決定するために、上記の配列の一部を欠失したプラスミドを作製した。
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