1995 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫および無脊椎動物における組織特異的に発現するアルドラーゼの分子進化
Project/Area Number |
07660444
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Seinan Jo Gakuin University Junior College |
Principal Investigator |
杉元 康志 西南女学院短期大学, 食物栄養科, 助教授 (10100736)
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Keywords | アルドラーゼ / アイソザイム / カイコ / ショウジョウバエ / 分子進化 / 組織特異性 |
Research Abstract |
平成7年度はショウジョウバエのアルドラーゼcDNAクローン6-2の機能解析とカイコのアルドラーゼS型の遺伝子解析を主として進めた。ショウジョウバエのアルドラーゼ6-2は一般のアルドラーゼの活性中心であるリジンガグルタミンに置換している奇妙なものであり、当初はこれはシュードジーンと考えられたが、大腸菌でこれを発現させるとアルドラーゼとして機能することが示唆された。しかし、精製物は哺乳類の肝型の性質を示すが、酵素的には不安定であり、カイコのアルドラーゼF型の性質とよく類似していた。このアミノ酸の置換が基質との反応さらには立体構造にどのように影響するかは今後の問題である。昆虫ではアイソザイムの進化の過程で何らかの原因で活性中心を変化させたことが予想される。現在、ヒトをはじめいくつかのアルドラーゼの活性中心を変異させ、これらの生産物の機能解析を進めている。カイコのS型アルドラーゼはタンパクにしてヒトに70%、ショウジョウバエに80%のホモロジーが見られた。これは卵、脂肪体、生殖細胞に特異的に発現し、現在解析中のF型アイソザイムとは75%のホモロジーを有していた。昆虫のアルドラーゼ遺伝子は2種類であり、無脊椎動物では線虫、脊椎動物ではナメクジウオやヤツメウナギなどと同じである。無脊椎動物のデータは少なく、これ以外には報告されていない。平成8年度はカブトガニや2胚葉性生物の遺伝子を解析する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Nagaoka,Y.Sugimoto M.Yora and K.Koga,: "Occurrence and distribution of aldolase isozymes during embryonic and post-embryonic development of the sikworm, Bombyxmori." lnsect Biochem.Mol.Biol.25(7). 819-825 (1995)
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[Publications] R.Zhang,T.Kai,Y.Sugimoto,Y.Takasaki,K.Koga and K.Hori: "The is ozymes α,β and γ of Drosophila melanogaster aldolase expressedin Escherichia coli cells transfected with the respective expression plasmids." J.Biochem.118. 183-188 (1995)
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[Publications] Y.Sugimoto,T.Kusakabe,T.Kai,T.Okamura K.Koga and K.Hori.: "Analysis of the in vitro translation product of a novel-type Drosophila melano-gaster aldolase mRNA in which two carboxyl-terminal exons remains unspliced." Arch.Biochem.Biophys.323(2). 361-366 (1995)
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[Publications] Y.Sugimoto,T.Kusakabe et al.: "A proteinase inhibittor from egg yolk of hen is an ovoinhibitor analog." Biochim.Biophys.Acta. (in press.). (1996)