1995 Fiscal Year Annual Research Report
マウス卵胞上皮のギャップ結合とアポトーシス細胞死:形態学的研究
Project/Area Number |
07670001
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
渡辺 皓 山形大学, 医学部, 教授 (80004662)
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Keywords | 卵胞上皮細胞 / アポトーシス / ギャップ結合 / コネキシン / アクチン / マクロファージ / 卵胞閉鎖 |
Research Abstract |
1.マウス卵胞のギャップ結合は、卵胞の成熟に伴いその数、面積ともに増大させ、排卵直前に、接合するいずれか1側の、または両側の上皮細胞に取り込まれる。実験的には、PMS投与48時間後、さらにHCGを投与し1時間経過した状態で最も多量にギャップ結合が形成されることを確かめた。 2.アポトーシスの初期では上皮細胞間のギャップ結合の形成がみられるが、その進行に伴い、ギャップ結合は正常な上皮細胞によって取り込まれる。このことは、アポトーシスの発現を、ギャップ結合を介して隣接する正常上皮細胞にその情報を伝えることを示唆している。 3.卵胞閉鎖に伴う退縮はアポトーシスに陥った上皮細胞を正常細胞が貧食することによるもので、マクロファージなどの貧食性細胞は関与していない。 4.アポトーシスに伴う形態変化として、上皮細胞の核濃縮に加えて、核内にアクチン様のストレスファイバーの出現を認めた。この傾向は好中球において実験的に容易に発現可能であることから、現在、好中球を用いてアポトーシスとアクチンとの機能的関連について検討中である。 上記の通り、本年度は主に卵胞上皮のアポトーシス機構について理解を深めたが、ギャップ結合の機能蛋白であるコネキシンの合成・輸送に関する研究は、平成8年度の研究課題として持ち越すこととなった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 渡辺,皓: "Gap junction in the apoptosis: TEM observation of membrana-granulosa cells of mouse ovarian follicle" Prog.Cell Res.4. 37-40 (1995)
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[Publications] 服部,礼子: "Unusual morphology of Agromonas Oligotrophica and the effect of NaCl and organic nutrient on its fine stucture" J.Gen.Appl.Microbiol.41. 23-30 (1995)
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[Publications] 蜂谷,修: "Inhibition by bacterial lipopolysaccharide of spontaneous and TNF-α-induced human neutrophil apoptosis in vitro" Micoriol.Immunol.39. 715-723 (1995)
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[Publications] 武井,寛: "Rapid killing of human neutrophils by the potent activator phorobol 12-myristate 13-acetate(PMA)accompanied by changes different from typical apoptosis or uecrosis" J.Lenkocyte Biol.(印刷中). (1996)
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[Publications] 武井,寛: "好中球のアポトーシス" Mibio(特集). 15. 69-78 (1995)
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[Publications] 武井,寛: "好中球細胞死の多様性と制御" 炎症. 16. 29-36 (1996)